姫路シネマクラブの100回目の例会が1月22日(水)・23日(木)に姫路キャスパホールで開催。木下恵介監督の半生を描いた『はじまりのみち』が上映され、同作の原恵一監督が来場しトークを行った。
『はじまりのみち』監督の原恵一さん |
姫路シネマクラブは、兵庫県姫路市を中心に1997年に設立された非営利会員制団体。近隣地域の映画を愛する人々によって立ち上げられ、「姫路ではなかなか観ることができない名作」を中心に、定期的な上映会を開催している。
100回目となった今回は、黒澤明監督と並び称された名匠・木下恵介の半生に迫る作品『はじまりのみち』を上映。同作の監督をつとめた原恵一さんが来場し、トークイベントを行った。
映写機を持ちこんでの上映 |
アニメ映画の監督を多くつとめた原監督にとって実写初挑戦となった本作。もともと木下恵介作品が大好きだったことから、2012年に木下恵介生誕100年を記念するプロジェクトが動き出した時、喜んで参加を希望したという。
木下恵介に対する思いを語る原監督 |
木下監督についてどう思うか、を聞かれると、「『二十四の瞳』の監督して知られているけど、もっと激しい作品もたくさん作っています。怒りも愛情も過剰な人だったからこそ、あれだけの作品が作れたのだと思います」と話した。
『はじまりのみち』に、実際の木下監督作品の映像を使用していることについては、「まず自分の好きな作品ばかり選びました。もちろん全部入れることは出来なかったんで、切り捨てていく編集作業はつらかったですね。心の中で『木下監督すみません』とお詫びしてました」と話し、会場の笑いを誘った。
原監督のトークに聞き入る会場 |
「木下監督は、たとえば自分が作った作品を、続編で茶化してしまうようなこともできる人。過去の評価を守ろうとしない挑戦的な態度を持った監督でした。その勇気のある生きざまに刺激をうけました」と話す原恵一監督。
「木下監督の名作を見られる機会がもっと増えてほしい。若い世代にも、ぜひその良さに出会ってほしい」と締めくくった。
トーク終了後は、ロビーでサイン会も実施。ロビーでは、シネマクラブの100回の軌跡を紹介するコーナーも設けられ、多くの参加者が足を止めて眺めていた。
サイン会で、1人1人に丁寧に応対 |
過去100回を振り返るコーナーも |
姫路シネマクラブは、今後も2カ月に一回の頻度で、選りすぐりの作品を上映していく予定。会員を常時募集している。
また、姫路シネマクラブが定期的に実施するインディーズ映画上映会「シネマ窟」の第15回が、2月8日(土)に開催予定。「よなご映像フェスティバルレトロスペクティブ2012-2013」と題し、鳥取県米子市の同フェスの受賞短編作10本を一挙上映するという催しとなっている。
■サイト
姫路シネマクラブ
http://www5.ocn.ne.jp/~himecine/
シネマ窟
http://www5.ocn.ne.jp/~himecin2/CINEMA-KUTSU/