ユーモラスに描く人生最後の輝き―『グォさんの仮装大賞』関西へ

老人ホームに暮らす高齢者たちが人気テレビ番組に挑む様子をユーモラスに描いた中国映画『グォさんの仮装大賞』が、シネマート心斎橋で上映へ。京都みなみ会館、元町映画館でも順次公開される。

高齢者問題をユーモラスにかつハートフルに描いた作品が、いよいよ公開される。

『グォさんの仮装大賞』（2012年、104分）は中国の映画作品。
妻を亡くし、老人ホームで余生を過ごすグォさんとそのホーム仲間たちは、ある日、人気テレビ番組「仮装大賞」へ出場することになる。ところが、彼らの身を案じるホームの職員や家族から反対されてしまうことに。そこでグォさんらは一計を案じ、老人ホームをこっそり抜け出して会場を目指すのだが・・・というストーリー。
第25回東京国際映画祭の「アジアの風」部門で上映され好評を得た作品で、文部科学省の特別選定など、官公庁からの評価も高い。
監督は、以前親子の心の交流を描いた『こころの湯』や『胡同のひまわり』などで日本でもヒットとなったチャン・ヤンさん。

チャン監督は同作を作った背景について、「今、身近な高齢者である両親が何を考えてきたのか、理解したいと強く思うようになってきました。伝統的な家族の形を失いつつある今の中国で、その受け皿である老人ホームは、まだまだその役割を果たせていません」とコメント。
「子どもと過ごすことを望むお年寄りたちと、個人主義が広がる家族との間には溝が生まれ、孤立したお年寄りの中では孤独死も起きています。だからこそ、彼らの思いに触れたこの作品で、高齢者問題にスポットを当てたいと思いました」と話している。