今日の記事でもお伝えしましたが、梅田スカイビル4階の「梅田ガーデンシネマ」が閉館することがわかりました。
16年に及ぶ営業に、終止符が打たれることになります。
けっこう突然の発表で、びっくりした人も多かったんじゃないかなあ。
ネット上でこのことを知った人たちからは、残念に思う声もたくさん。
「初デートで少しかっこいい映画館に行きたくて、ここを選びました」
「いまの奥さんと、デートでたくさん通ったよ」
「ここで、ミニシアター系の映画の楽しさを教えてもらいました」
「作品のチョイスがいつもよくて、頼もしかった」
なんて声が、どんどんあふれてきます。
愛されていたんだなあ、と思うと同時に、それでも閉館するのが今のご時世なんだなあ、と少しさみしくなってきます。
ぼくはこのガーデンシネマでは、たくさんのアート系映画を観ました。
ちょっと背伸びしたい大学生のころ、あの梅田の地下道をくぐりぬけて、何度も何度も足を運びました。
今でもちょくちょく行ってます。
今年印象的だったのは、『100万回生きたねこ』と『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』、『きっと、うまくいく』かなあ。
『ハンナ・アーレント』もヒットしていましたね。
映画の記憶もさることながら、あの開放感のあるロビーで、いつも映画の余韻にひたっていたことを覚えています。
昔はそんな映画館がたくさんありましたよねえ。
でもいま、映画の観方ってやつは、少しずつ変化してきています。
まず観たい映画がある。
検索して、上映している映画館を探す。
そして候補の中から、近くて便利なところに行くわけです。
そこには、映画館の個性は、あんまり反映されません。
個性に関係ない、ということは、鑑賞が終わったあと、映画館は記憶されにくい、ということでもあります。
映画館は、「記憶される場所」であってほしい。
なんて思うのは、今の時代に少しそぐわないのでしょうか。
でも、やっぱり観た映画とその映画館は、セットで覚えておいてほしいなあとも思ったりするのです。
「あの映画館であの作品を観たなあ」
そんな思い出を、たくさん作ってほしい、そう思うじぶんがいます。
ぼくらには映画と、映画館という思い出がある。
それは、家でDVDを観るよりも、何倍も何十倍も豊かな記憶になるんだよね。