チルコロ京都で10月5日(土)、ドキュメンタリー映画『東北ライブハウス大作戦』の上映会が行われ、東北被災地でのボランティア経験のある京都のバンド「空中ループ」の松井省悟さんがミニライブを行った。
チルコロ京都で行われた上映会 |
チルコロ京都は、映画配給などイタリア文化を紹介する活動を続ける京都ドーナッツクラブが今年8月にオープンさせたコワーキング&イベントスペース。すでにさまざまなイベントが行われているが、今回初の映画上映をともなったイベントとなった。
まず最初に、ドキュメンタリー映画『東北ライブハウス大作戦』を上映。これは、東日本大震災で被害を受けた岩手県宮古市、大船渡市、宮城県石巻市にライブハウスを作る同名のプロジェクトを追いかけたもので、それぞれの場所でライブハウス建設に奔走する人の姿や、2012年9月に開催されたライブイベントを取材している。
上映後は、トークショーを実施。京都で活動するギターポップバンド「空中ループ」のボーカルで、震災後にボランティアを経験したという松井省悟さんと、京都ドーナッツクラブのメンバーで、被災地を実際訪れて取材した経験を持つFM802のDJ野村雅夫さんが、被災地での音楽活動などについてトークを行った。
被災地への思いを語る野村さん(写真左)と松井さん |
映画に登場したライブハウスのうち1つを訪れたという野村さんは「被災地に実際にライブハウスを建ててしまったすごさを感じました。でもずっと彼らには『課題しかない』という状況が続いているんです」と解説。震災後3カ月に一回は陸前高田市、気仙沼市などにボランティアに行っていたという松井さんは、「最初行った時、何も表現する気が起きなかったほど打ちのめされました」と振り返り、「でも、そんな被災地の人たちが夢を語ってくれたことが、すごく素晴らしいと思えました」と話した。
気仙沼市の人たちとの交流の結果、同地の「小原木タコちゃん」というマスコットグッズのテーマソングを制作した経験を持つ松井さん。「被災地の活動は続けていくことが難しい。このライブハウス大作戦にしてもそうで、どうにかして夢を持ち続けていってもらいたい」と呼びかけると、野村さんは「よそ者の関心が持続しないのも課題の一つだと思う」と話した。
トーク後には、松井さんがソロで歌声を披露。「小原木タコちゃん」テーマソングなどを歌い上げた。会場からは手拍子も飛び出し、一体感に包まれたミニライブとなった。
歌声を披露する松井さん |
■サイト
チルコロ京都
http://circolokyoto.jimdo.com/
京都ドーナッツクラブ
http://www.doughnutsclub.com/
空中ループ
http://www.kuuchuuloop.net/
『東北ライブハウス大作戦』公式サイト
http://www.daisakusen-movie.com/