江口のりこさん・永瀬正敏さん出演の『戦争と一人の女』(坂口安吾原作)が現在シネ・ヌーヴォで公開中。また第七藝術劇場、京都シネマ、元町映画館での公開も決定した。
『戦争と一人の女たち』井上淳一 |
※ポスターでは5月公開予定となっていますが、実際は夏公開となっています。ご了承ください。
『戦争と一人の女』は、坂口安吾の短編小説「戦争と一人の女」「続戦争と一人の女」を題材にした官能文芸映画。
「戦争が終わるまで、やりまくろうか。」という衝撃的なキャッチコピーが示す通り、太平洋戦争中の東京で体を重ねる男女を軸に、戦争に翻弄される人たちの姿を描いている。
永瀬正敏さん演じる世の中に絶望した作家と、江口のりこさん演じる元娼婦の女性が同棲を始める。一方で村上淳さん演じる、片腕を失った戦争帰還兵は、何の罪もない女性を犯し続けるようになる・・・というストーリー。
(C)戦争と一人の女製作運動体 |
監督は井上淳一さん。今回が初の長編映画となる。もともとは若松孝二監督のもとで脚本家として活躍した。
「10年ほど前から、戦争について映画を作りたかった。今までは描かれることのなかった側面を描きたいと思っていました」と井上監督は話す。その時、寺脇研さんと荒井晴彦さんらと「戦争における精神の後遺症を描こう」という話になったという。そうして文献を当たっていたら、坂口安吾の著作にたどり着いた。
「戦争していても、人はセックスするしご飯を食べないといけない。戦争に対峙できるのは、そういった性や食に対する欲望だと思った」と話す井上監督。「坂口安吾がタイトルで、戦争と一人の女を並列にしているのが象徴的だと感じた」という。
小説家を演じる永瀬さんについて井上監督は、「文語体の文章をあれほど自然体に話せる永瀬さんの力量、本当にすごいと思いました」と話す。
(C)戦争と一人の女製作運動体 |
『戦争と一人の女』は、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで8月2日(金)まで上映。8月17日(金)からは第七藝術劇場、京都シネマ、元町映画館で一斉上映される。
坂口安吾といえば、終戦直後に発表した「堕落論」が有名。その著作につながる、戦争で安吾が感じた退廃と絶望の香りが感じ取れる本作。戦争について感じることの多い夏に、ぜひ鑑賞したい一作だ。
予告編 |
詳細情報 |
上映日程 |
シネ・ヌーヴォ 7月6日(土)~8月2日(金) 第七藝術劇場 京都シネマ 元町映画館 |
映画館 |
シネ・ヌーヴォ (大阪市西区九条1-20-24、TEL 06-6582-1416) 第七藝術劇場 京都シネマ 元町映画館 |
サイト |
『戦争と一人の女』公式サイト http://www.dogsugar.co.jp/sensou |