7月7日に生誕60周年を迎えた塚口サンサン劇場。その記念の第一弾として、黒澤明、小津安二郎など日本の映画監督10人の名作を一挙上映する特集が開催される。
1953年に開設された「塚口東映劇場」(塚口サンサン劇場提供) |
1953年に開設された「塚口劇場」。阪急塚口駅前の再開発に伴って、1978年に現在の場所に「塚口サンサン劇場」として再オープン。それ以降、地域の人に愛される地元密着の映画館として運営を続けてきた。
塚口の土地に生まれて60年。その時その時のヒット作を常に上映した。まさに「日本映画とともに歩んだ」60年だった。
「その歴史をいまこそ振り返ってもらいたい」
そんな思いで、今回の特集を企画した。
選んだ監督は10人。上映するのは20作。すべて35ミリフィルム上映。
溝口健二の『雨月物語』『近松物語』、成瀬巳喜男の『浮雲』『おかあさん』、深作欣二の『仁義なき戦い』『里見八犬伝』、大林宣彦の『時をかける少女』『異人たちとの夏』、相米慎二の『セーラー服と機関銃』『台風クラブ』、森田芳光の『家族ゲーム』『間宮兄弟』、市川崑の『犬神家の一族』『黒い十人の女』、木下恵介の『二十四の瞳』『カルメン故郷に帰る』、小津安二郎の『東京物語』『秋刀魚の味』、黒澤明の『羅生門』『静かなる決闘』。
東映、東宝、大映、松竹…映画会社の枠組みを飛び越え、名作ばかりを取りそろえた。
「1本目は、多くの方が耳にしたことがある有名作、もう1本はそこまで知られていないけど、ぜひ観てほしいイチオシ作」だという。
『雨月物語』(C)1953 角川映画 |
『近松物語』(C)1954 角川映画 |
『浮雲』 |
『おかあさん』 |
『仁義なき戦い』(C)東映 |
『里見八犬伝』(c)1983 角川映画 |
『時をかける少女』(c)1983角川映画 |
『異人たちとの夏』(C)1988松竹 |
『セーラー服と機関銃』(c)1981 角川映画 |
『台風クラブ』 |
『家族ゲーム』 |
『間宮兄弟』(C)2006「間宮兄弟」製作委員会 |
『犬神家の一族』(C)1976角川書店 |
『黒い十人の女』(C)1961角川書店 |
『二十四の瞳 デジタルリマスター版』(C)1954松竹 |
『カルメン故郷に帰る』(C)1951松竹 |
『東京物語』(C)1953松竹 |
『秋刀魚の味』(C)1962松竹 |
『羅生門 完全デジタル版』(C)1950角川書店 |
『静かなる決闘』(C)1949角川書店 |
担当者には一つ思い出がある。
以前同劇場をリニューアルした時、今回のように過去の名作をリバイバル上映した。「古いフィルムなので、途中で止まってしまう可能性があります」と伝えたその通り、何度か中断されながらの上映だった。
終わった時、鑑賞した老夫婦と話す機会があった。「満足な上映ができなくてすみません」そう謝る担当者に、2人は「とんでもない、ありがとう」と話したという。
「この映画が、2人で初めてデートした時に観た作品なんです。その時の気持ちをよみがえらせてくれた、それだけでも感謝しています」
担当者は「映画の中身だけでなく、その時代のことも思い出せるのが、映画の素晴らしさだと思います。そのことを改めて教えてくれました」と振り返る。
今回の特集には、その時代その時代の名作がぎっしり詰まっている。かつて観た時の自分を思い出しながらもう一度スクリーンで名画に再会するもよし、見逃していた名作と新たな出会いを果たすもよし。
日本が誇る作品を、この機会にぜひ味わってほしい。
お得な割引回数券も限定販売 |
また塚口サンサン劇場ではこれ以降も、いろんな特集を企画しているという。60周年、還暦を迎えてさらに勢いを増す同館から、ますます目が離せなくなりそうだ。
塚口サンサン劇場開設60周年特別上映「10人の映画監督と20本の不朽の名作」は、7月20日(土)から1週間ずつ、9月27日(金)まで実施される。
詳細情報 |
上映日程 |
7月20日(土)~26日(金) 溝口健二『雨月物語』『近松物語』 7月27日(土)~8月2日(金) 8月3日(土)~9日(金) 8月10日(土)~16日(金) 8月17日(土)~23日(金) 8月24日(土)~30日(金) 8月31日(土)~9月6日(金) 9月7日(土)~13日(金) 9月14日(土)~20日(金) 9月21日(土)~27日(金) |
料金 |
・回数券 各種限定100セット 5回券3,000円、10回5,000円 ・当日券 |
映画館 |
塚口サンサン劇場 (尼崎市南塚口町2-1-1、TEL 06-6429-3581) |
サイト |
塚口サンサン劇場開設60周年特別上映 http://www.sunsun.info/special/1/ 塚口サンサン劇場 http://www.sunsun.info/ |