世界的にも有名な映画監督・小津安二郎の生誕110年と没後50年を記念して、37作品を一挙上映する「巨匠・小津安二郎の世界」が、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで催される。
世界に誇る巨匠の作品を、いま一度この機会に堪能しよう。
小津安二郎は、日本の映画監督。『生まれてはみたけれど』がキネマ旬報ベストテンで第1位に選出されたのを皮切りに、『晩春』、『麦秋』、『東京物語』といった名作を発表。日本を代表する映画監督の1人となった。
紫綬褒賞や芸術院賞を受賞するほか、映画人としては初となる芸術院会員に選出。
また海外からも注目され、多くの映画監督が「小津の影響を受けた」と語るなど、国内外で黒澤明とならぶ名声を得ている。
1903年12月12日生誕、1963年12月12日没。今年12月12日は、生誕100年であり没後50年の節目となる。
小津監督の作品は、多くが日本の中流家庭を舞台に、親子関係を軸としながらや人生の機微を描いたものとして知られている。また、独自のローアングルで撮りつづける手法とあいまって、その独特の空気感は映画関係者だけでなく映画ファンからも「小津調」と称されている。
2012年には、英国映画協会の『サイト・アンド・サウンド』誌上の「世界映画史上ベスト作品」において、『東京物語』が第一位作品に選出。「その技術を完璧の域に高め、家族と時間と喪失に関する非常に普遍的な映画を作り上げた」との評価を得ている。
今回シネ・ヌーヴォで上映されるのは、小津作品で現存する37作品。
世界的に著名な『東京物語』(1953年、135分)をはじめとして『晩春』(1949年、108分)、『麦秋』(1951年、124分)などの有名作から、現存する最も初期の作品『学生ロマンス 若き日』(1929年、103分)、小津唯一の記録映画『鏡獅子』(1936年、24分)、戦時下唯一の作『父ありき』(1942年、94分)、戦後第1作の『長屋紳士録』(1947年、72分)、宝塚映画製作所で撮影された『小早川家の秋』(1961年、103分)、遺作となった『秋刀魚の味』(1962年、112分)などを一挙上映する。
『東京物語』 |
「巨匠・小津安二郎の世界」は、6月22日(土)から7月19日(金)まで約一カ月、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで開催。
6月22日(土)には全国小津安二郎ネットワーク会長の藤田明さんと映画研究家の倉田剛さん、6月29日(土)には大阪大学教授・上倉庸敬さん、7月6日(土)には思想家の内田樹さんがそれぞれトークを行う。
没後50年となる今こそ、日本の映画を芸術の域に高めた小津作品を振り返っておきたい。
詳細情報 |
開催日程 | 6月22日(土)~7月19日(金) |
料金 |
・前売 1回券1,200円、5回券5,000円、期間中フリーパス17,000円 ・当日 一般1,400円、学生1,200円、シニア・会員1,000円、高校生以下800円 当日5回券6,000円、シニア・会員5回券4,500円 |
映画館 |
シネ・ヌーヴォ (大阪市西区九条1-20-24、TEL 06-6582-1416) |
サイト |
巨匠・小津安二郎の世界 http://www.cinenouveau.com/sakuhin/ozu/ozu.html シネ・ヌーヴォ http://www.cinenouveau.com/ |