前編はこちら!
さて、山崎さんのうしろに写っていた本棚をクローズアップしてみましょう。
こんな貴重なものが……!
2007年の特集上映の際、来館してくださった鈴木清順監督。
頂いたお手紙。達筆です。
そしてこんな写真も……!
ヌーヴォにも縁のある、ドキュメンタリー映画作家たちの集い「青の会」メンバーのみなさん。2005年に土本監督より、ヌーヴォ代表の景山理宛てに届いたハガキです。
左から、故・黒木和雄監督(『竜馬暗殺』『原子力戦争』)、大津幸四郎さん(キャメラマン)、先日、不慮の事故で亡くなられた岩佐寿弥監督(『オロ』『眠れ蜜』)、故・土本典昭監督(『水俣』シリーズ)、久保田幸雄さん(録音部)。
写真の上にあるのは【土本典昭フィルモグラフィ展】のフリーチケット。今や絶滅危惧種とも言えるテレホンカード仕様のものです。
奥の部屋にはポスターの山!というか壁!!
保存用に残しているポスターは、年々増えていくばかり。
他のミニシアターではどのように保管されているのでしょうか?訊いてみたいところです。
さあ、いよいよヌーヴォの心臓部・映写室へ!
ひょこっと顔を出したのは、映写技師の田中健太郎さん。
映写技師・田中さんにお話を聞いてみましょう!
シネ・ヌーヴォでは、5/25(土)~の【中村登の世界】にはじまり、6月は【寺山修司】【小津安二郎】、そして夏の大回顧展【織田作之助と仲間たち】へと旧作の特集上映が続きます。
やっぱり特集上映は大変ですか?
「そうですね。古い作品は35ミリや16ミリのフィルムがほとんどですが、保管状態が悪いと傷んでいるものが多くて。プリントが届いたらすぐにチェックして、傷んでいるところを修復します。それでも何回か映写機にかけているうちにまた同じところが切れたりして。クセがついちゃっているものもあるので。その都度直しながら上映して、終わったら良い状態で次の上映館へと回していきたいですね。
逆に、キレイに修復されているフィルムを見ると、前に扱った映写技師の方の仕事ぶりをうかがえることも出来ます。
最近はデジタル上映の作品が多いけど、本来はフィルムを回すのが映写技師の仕事。大変さもあるけど、特集上映をこなしていくことこそ、本来の仕事に戻ってきたなという感じがします。」
ここで、田中さんが選ぶ映画ベスト3作品を聞いてみました。
【表】ベスト3
『グラントリノ』クリント・イーストウッド
『ベルリン 天使の詩』ヴィム・ヴェンダース
『東京物語』小津安二郎
【裏】ベスト3
『クレーヴの奥方』マノエル・デ・オリヴェイラ
『阿賀に生きる』佐藤真
『乱れる』成瀬巳喜男
「【表】ベストの方は「これは良いよ!」って自信を持ってすすめられる作品。
【裏】の方は、好き嫌いが分かれるかもしれないけど、とても好きな作品ですね。」
小津安二郎監督の『東京物語』も入ってますね。
「学生時代に、滋賀県の碧水ホールで小津の3本立て(たしか『東京物語』と『秋刀魚の味』と『彼岸花』だったはず)を上映していて観に行ったら、来ているのはシニアの方ばっかりで。僕は一番前の席で観ていたんですが、まわりのおじいちゃんおばあちゃんたちが、当時観ていた時代にタイムトリップして、昔の気持ちになって観ているんやなっていうのがすごく伝わってくる、不思議な体験をしました。
今度の小津特集の時にも、そういう空間が生まれるかもしれない。是非たくさんの人に観に来てもらいたいです!」
【巨匠・小津安二郎の世界】は6/22(土)~
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/ozu/ozu.html
田中さんの映写っぷりは、ショートムービー・映画館へ行こう vol.1『女優たるもの』の中でも見ることが出来ます!
映画館へ行こう vol.1『女優たるもの』
http://www.cinepre.biz/?p=4102
シネ・ヌーヴォの舞台裏、いかがでしたか?
今回紹介しきれなかったスペースや、珍品などがまだまだ眠っていますので、それはまた次の機会に。
次回のシネ・ヌーヴォは『九条・食べ歩きマップ』を寄稿予定です!乞うご期待☆
(前編はこちらです)