10回目を迎えた姫路の自主映画上映会「シネマ窟」で、神戸100年映画祭の「未来の神戸映画プロジェクト」2作品、『畜生な煙』(神戸芸術工科大学)と『さよなら、さよなら、さよなら』(月世界旅行社)が上映される。
姫路の恒例上映イベントで、気鋭の若手作品が上映される。
「シネマ窟」は、姫路シネマクラブが2011年から始動した自主作品の定期上映会。商業映画ではなく、良質な自主制作作品との出会いの場を創造しようと、約2カ月に一回のペースで開催されている。
前回は、仙台短編映画祭で東日本大震災に際して作られた「明日」という短編作品のプロジェクトを上映した。
今回上映するのは、神戸100年映画祭内の「未来の神戸映画プロジェクト」という企画で制作された2作品。
「未来の神戸映画プロジェクト」は、石井岳龍監督が教鞭をとる神戸芸術工科大学の学生らと、京都造形芸術大学の卒業生らが結成した映画製作上映団体「月世界旅行社」のメンバーがそれぞれ、神戸と京都で制作した短編映画を映画祭内で上映するというもの。
神戸芸術工科大学側は、巨人の出現によって汚染された土地の地下で暮らす人間たちを描いた向田優監督のSF作品『畜生な煙』(30分)。月世界旅行社側は、息子夫婦との同居に馴染めない老人と水商売の女性を描いた片岡大樹監督のヒューマンドラマ『さよなら、さよなら、さよなら』(30分)。
神戸100年映画祭が自主映画のプログラムを組んだことに注目したという同イベント実行者の竹中さん。
「映画祭のほとんどは、映画を集めてきて上映することが中心。そこに最近は、映画祭の地元で映画制作も行い、その映画を上映、発信するところも出てきています」と話す。
デジタル化によって映画制作が身近になることで、こうした「映画祭の企画で作品を作る」ことも可能になったという。
また両作品について、「ご当地映画に収まらず、普遍的なもの描かれている」ことを高く評価。
「近未来SFと日常を舞台にしたドラマというように、全く別のタイプの作品が立ち上がってきたことにも興味を引かれました」と話している。
「映画を“受ける”だけではなく、”発信”という要素も加わることによって、今後の映画祭自体のあり方、引いては映画そのものの在り方の変化が見えてきているように思えます」と話す竹中さん。
「人と映画の付き合い方は、どんどん変わることになるでしょう。『未来の神戸映画プロジェクト』の始まりをまずはしっかりと受け止め、今後を追っていくことが出来ればと思い、今回の上映を企画しました」と、これからの発展に期待を寄せている。
シネマ窟第10回は、4月20日(土)、姫路の納屋工房で開催される。
■開催日程
4月20日(土)
19時開始
■料金
一般1,000円、シネマクラブ会員800円(ともに1ドリンク付き)
■会場
納屋工房
(姫路市本町68番地大手前第一ビル4F、TEL 079-263-7878)
■サイト
シネマ窟
http://www5.ocn.ne.jp/~himecin2/CINEMA-KUTSU/
震災経て作られた短編42本 姫路のシネマ窟で上映【キネプレニュース】
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「未来の神戸映画プロジェクト」神戸芸術工科大学・月世界旅行社【キネプレインタビュー】
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「未来の神戸映画」形に 若者たちの力作お披露目へ【キネプレニュース】
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第2回シネパラード(『畜生な煙』上映予定・4/21)
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