架空の日記のやり取りから生まれる親子のコミュニケーションを描き、CO2でグランプリに輝いた『適切な距離』(大江崇允監督)が、第七藝術劇場で限定上映される。
『適切な距離』 |
将来を嘱望される才能の作品が、大阪の地に帰ってくる。
『適切な距離』は、第7回の「シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)」上映展で、グランプリとなるシネアスト大阪市長賞に輝いた作品。
日記をお互いに盗み読みする母と子が、父親が不在の中で、架空のストーリーを描きあうことから生まれる心の交流を描いている。
監督は、処女作『美しい術』で自主映画界で評判となった大江崇允さん。制作は奈良から生まれた映画製作団体チーズfilm。
ストーリーの下敷きにしたのは、共同脚本をつとめた菊池開人さんの半私小説だという同作。家庭というモチーフを描いたことについて大江監督は「制作を進めている中でアイデアがふくらんでいった。人数が欠けているいびつな形で家族を成立させようと思い、そこから物語の終着点を描いた」と話す。
「家族について深く考えたというより、1人の人間と1人の人間がコミュニケーションをとる物語ととらえた」という大江監督。「小さい描写を積み重ねているので、そういところを楽しんでいただくのも、この作品の見どころだと思います」と話している。
『適切な距離』 |
「映画は嘘っぱちな世界。でも僕たちはその嘘を見るために映画館へ行く。それはなぜか。ぼくはそこに生きていく上での真理のようなものが落ちいてるからだと思います」と話す大江監督。その「嘘が嘘を超える瞬間」をぜひ目撃したい。
『適切な距離』は第七藝術劇場で、4月6日(土)~12日(金)の1週間限定上映。
■上映日程
4月6日(土)~12日(金)
連日19時05分から
■上映映画館
第七藝術劇場
(大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ6階 、TEL 06-6302-2073)
■サイト
『適切な距離』公式サイト
http://tekisetsu.blog.fc2.com/
第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/