東日本大震災をテーマにした映画『いつかのピクニック』が3月11日(月)、大阪・十三のシアターセブンで上映され、監督や出演者らが舞台あいさつを行った。
登壇した渡辺真さん(写真左)、高橋瑞佳さん(中央)と吉川監督 |
『いつかのピクニック』は、大阪の自主映画制作チームが東北に旅をする様子を描いた映画作品。震災のために完成できなかったシーンを今一度、陸前高田市に撮りに行く、というストーリーのロードムービーだ。監督は吉川信幸さん、脚本は江藤直樹さん。今回が大阪では2度目の上映となる。
登壇した吉川監督は、本作品を作るにいたったきっかけについて解説した。
震災から約4ヶ月後に現地へボランティアに行ったという吉川監督。現地の人に「ボランティアで出来る作業には限界があるけど、ここで見たこと、感じたことを大阪に帰って人に伝えてほしい、忘れないでいてほしい」と言われたことに感銘を受けたという。その後友人に語り継いでいく以外にも、現地のことを残す方法はないかと考え、映画を作ることを思いついた。同じく震災後に「何かできないか」と思案していた江藤さんと意気投合し、今作を企画。撮影は、2012年の3月に、実際に陸前高田市に向かいながら行われたという。
出演者の高橋瑞佳さん、渡辺真さんはその時の思い出を振り返りながらあいさつ。
作中では監督役をつとめた渡辺真さんは、「カメラに映っているところだけが映画なんですが、撮影したけど使わなかった部分やカメラに映っていない部分でも、被災地ではいろんなことが起こっていたということを忘れないでいてほしい」と呼びかけた。
撮影時の思い出を振り返る登壇者ら |
『いつかのピクニック』は、現在今後の上映予定を検討中。また公式サイトではDVDの販売を行っている。
多くの人の「震災を忘れないで」という思いが込められた映画。これから、より多くの人たちの目に触れ、震災について考える機会が増えていくことを期待したい。
■サイト
『いつかのピクニック』公式サイト
http://picnic-movie.com/
震災、今一度考えて 3.11に『いつかのピクニック』上映 【キネプレニュース】
http://www.cinepre.biz/?p=4677