田中裕一さん(「かたちラボ」主宰)に寄稿していただきました。
塚口サンサン劇場で11月18日(日)、映画『るろうに剣心』のアクションにフォーカスしたトークイベント「語る映画館 vol.3 るろうに剣心-邦画アクションの夜明け前-」が開催された。
田中(写真左)と、西尾孔志さん(中央)、サプライズゲストの谷垣健治さんが登壇 |
塚口サンサン劇場がスタートさせたトークイベントシリーズ「語る映画館」の第3弾。前回・前々回の『桐島、部活やめるってよ』イベント(こちらの記事を参照)に続き、今回は『るろうに剣心』をアクションの観点から語る催しを実施。京都造形芸術大学などで講師をつとめている映画監督の西尾孔志さんに登壇していただき、邦画や香港映画などを参考にしながら本作のアクションについて解説した。
『るろうに剣心』 を語るために押さておきたいアクション映画の名作たち |
イベントスタート直後から早くもサプライズが起こる。なんと、『るろうに剣心』でアクション監督をつとめた谷垣健治さんが飛び入り参加したのだ。谷垣さんは「どうしてもフィルムで観たくて駆けつけました。最後の30分だけ間に合いました」と言い、鑑賞後そのままトークイベントへ。西尾さんと田中も登壇し、「アクション」をテーマに熱弁を戦わせた。
『るろうに剣心』撮影時の裏話やテクニックについて惜しみなく語っていただいた谷垣さん。本作では故・勝新太郎さんの「アクションは“手“じゃなくて、“間”だ」という言葉を意識し、あくまでもスピードではなくタイミングにこだわったと語り、集まった参加者をうならせた。
『るろうに剣心』撮影秘話を語る谷垣健治さん |
時間の都合で谷垣さんが退席した後は、参考映像を観ながら西尾さんと田中によるトークを継続。『七人の侍』の戦闘シーンを盛り上げる雨の演出や、『その男、凶暴につき』の生々しいアクション、さらに『るろうに剣心』と西洋神話のパターン比較など、幅広く映画を分析した。
そして登壇者によるトークパートが終了すると、「語る映画館」シリーズならではの意見交換会へ突入した。
特に議論が白熱したのは「なぜ剣心は、最後の戦いだけでキレたのか」という問題。多くの参加者が意見を交換する中で、ある女性参加者が語った「大切な薫への愛のために、剣心が感情をむき出しにしたのでは」という意見に会場の誰もがうなずく場面もあった。
西尾さんは「みなさんと意見交換をしていく中で、新しい発見がたくさんありました」と、イベントを締めくくった。
アクションへの愛を語り合った3人 |
参加者のみなさんと、好きな映画について語りながら、意見を交換する場はほんと貴重だと思う。「語る映画館」シリーズはこれからも継続していくらしいので、楽しみだ。今回の谷垣さんのように、素敵なサプライズゲストが参加してくれるのも素晴らしい。今後も塚口サンサン劇場から目が離せない。
映画『るろうに剣心』は、塚口サンサン劇場で11月30日(金)まで上映予定。
■サイト
塚口サンサン劇場
http://www.sunsun.info
『るろ剣』で語る邦画アクション史 サンサン劇場で催し【キネプレニュース】
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