サイレント映画期に活躍した喜劇王ハロルド・ロイドが今年生誕130年を迎えるのを記念して、多数の長編作品を楽士の鳥飼りょうさんが伴奏上映する。
3/20のロイド解説イベントでトークと伴奏を行った鳥飼りょうさん
その前夜祭的なイベントとして、3月20日(月)、大阪のTSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISEで、短編サイレント映画をピアノ伴奏と解説トーク付きで上映する「Talk about キネピアノ」が開催。鳥飼さんのピアノ伴奏付きで、ハロルド・ロイドの短編映画『ロイドのブロードウェイ』を上映しながら、ロイドについての解説トークを行った。
ハロルド・ロイドは、丸眼鏡(後に「ロイド眼鏡」と呼ばれるようになる)がトレードマークのコメディ俳優で、サイレント映画の黄金時代にトップスターとして人気を博した。特に『要心無用』の時計台にぶら下がるアクションは、ジャッキー・チェンや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などに影響を与えたと言われている。
三大喜劇王の残り2人、チャップリンとバスター・キートンとの違いについて鳥飼さんは
「チャップリンやキートンは特異なキャラクターなので、どこか別の世界で起こっている面白いことを楽しむ感じがしますが、ロイドは自分の身に起こりそうな親近感がありますよね。登場人物に共感を求める人とロイドは相性が良いのでは」
と話す。
トークではそんなロイドの魅力や、コメディアンというだけではない俳優としての魅力にフォーカスがあてられた。
会場となったTSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISE。毎月、サイレント映画解説イベントを開催
最後に「チャップリンで一番好きな作品はなんですか?と聞かれるといろいろな答えが返ってくる。キートンもそう。でも、ロイドはそもそも『要心無用』以外ほとんど知られていない」と話す鳥飼さん。
「1970年代のリバイバル上映では第1弾で『要心無用』が上映されましたが、残りの作品は打ち切られて上映されなかった。気軽に旧作を観られる時代ではないので、『要心無用』以外の作品は観られる機会も人に勧められる機会も少なかったのでは。でも実は『要心無用』以外の作品にこそ、ロイドの魅力が詰まっていると僕は思っています。しっかりとした物語構成、役者としての演技、笑い、そして最後は心が温まる。そんなロイドのさまざまな作品を、今回のロイドの生誕130年記念上映をきっかけに、いろいろ観て欲しい」
と、呼びかけた。
そんなロイドの長編作・中編作品が、神戸と大阪で鳥飼さんの伴奏により連続で上映される。
3月25日(土)から3月31日(金)には、神戸・元町映画館で『ロイドの要心無用』『ロイドの人気者』『田吾作ロイド一番槍』を日替わりに上映(「SILENT FILM LIVE #19|ハロルド・ロイド生誕130年祭」)。
さらに4月2日(日)の大阪(十三)・シアターセブンでは『豪勇ロイド』を、同時期に活躍したバスター・キートンの『セブン・チャンス』と二本立てで上映する(「アフター・リュミエール in 十三 vol.7 -ピアノ伴奏でみるサイレント映画-」)。
また、そうしたロイド作品の鑑賞者とロイドの魅力について改めて語り合う機会をつくろうと、4月16日(日)には大阪のTSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISEで登壇者たちが喜劇王ハロルド・ロイドの魅力を語り合うトークイベントも実施。鳥飼さんや、キネピアノのバスター・キートン特集パンフレットを制作した浅山幹也さん、キネプレの森田が登壇し、様々な角度からロイドの魅力を掘り下げていく予定だ。
各イベント・上映は、以下の詳細情報をチェックしてほしい。
詳細情報 |
■神戸・元町映画館 ・日程 3/25(土)~3/31(金) 各日15:20~ 3/25(土)『ロイドの要心無用』 ・料金 ・場所 ・サイト ■大阪・シアターセブン ・料金 ・場所 ・サイト ■大阪・ロイドトーク ・料金 ・場所 ・サイト |