映画業界でも衣装デザインなどで知られるアートディレクター・石岡瑛子の作品を集めた企画展が、10月16日(土)より京都dddギャラリーにて開催中。入場無料。
石岡瑛子は、世界を舞台に活躍したアートディレクター、デザイナー。広告デザインから、イベント・舞台のディレクション、映画のポスタービジュアルや衣装デザインまで、多岐にわたって才能を発揮した。
本展示は2020年12月から2021年3月まで東京で開催され、大好評となった石岡瑛子個展を再編成し巡回するもの。資生堂やパルコの広告など日本で活躍していた頃の作品はもちろん、その後海外へ進出し、映画のポスターアートなどを手がけるようになった頃の作品も多く展示されている。
入場口から目を惹くのが、石岡瑛子の厳しくも熱い言葉を綴った真っ赤な柱が両サイドに並ぶ展示である。京都の伏見稲荷大社の鳥居のように並ぶ柱には全て、石岡瑛子のクリエイターとしての心構えや、人生において大切に考えている事柄などが、ズラリと並んでいる。
この展示を見るだけでも、石岡瑛子という人柄が伝わってくる。クリエイターだけでなく様々な職業や生き方の人の心を打ち、今回の展示の名前にもある「サバイブ」を石岡瑛子なりの言葉で伝えているようである。
こういった言葉の展示は各ブースに及んでおり、作品ごとにある制作過程のエピソードなども合わせて読むと、石岡瑛子の破天荒さや強かさなども知ることができる。
展示内容は、東京芸術大学を卒業後に入社した資生堂での作品やパルコでの広告など、比較的初期の日本での活動を中心としたブースや、海外進出後のマイルス・デイヴィスのアルバムジャケットなど多岐に渡る。
中でも、映画業界での活躍のきっかけとなった、アートディレクションを担当したフランシス・フォード・コッポラ監督作『地獄の黙示録』日本版ポスターが大きく展示。
さらに同じくコッポラ監督作で、石岡がアカデミー賞衣装デザイン賞を受賞した『ドラキュラ』のポスター、同じく衣装デザインで長年タッグを組んだターセム・シン監督作『ザ・セル』ポスターなど、映画好きにはたまらない作品も並んでいる。
会場では、石岡瑛子が亡くなる直前に受けた4時間にも及ぶインタビューから抜粋された音声が流されている。力強く人生を正しく「サバイブ」した石岡瑛子の言葉が、激しくも熱いエールとなって、訪れた人々に語りかける。
出口ではそんな石岡瑛子の言葉を綴った用紙がランダムで持ち帰れるサービスも。何が当たるかはお楽しみなので、ぜひ帰り際にゲットしてほしい。
またオリジナルグッズや関連書籍、東京で開催された個展の図録なども販売中。
京都dddギャラリー第230回企画展「SURVIVE – EIKO ISHIOKA /石岡瑛子 デザインはサバイブできるか」は、京都府の京都dddギャラリーで12月18日(土)まで開催中。入場無料。
詳細情報 |
■開催日程 10月16日(土)〜12月18日(土) 会館時間 11:00〜19:00 ※土曜日は18:00まで 日曜・月曜・祝日休館 ■料金 ■開催会場 ■サイト |