神戸の元町映画館で8月28日(土)から、サイレント映画の上映企画「SILENT FILM LIVE」がスタートした。短編と長編のおすすめサイレント映画を、ピアノ伴奏とともにお届けする企画。
「SILENT FILM LIVE」は、2018年3月に同館2階のイベントルームでスタート。サイレント映画の魅力をより多くの人に伝えようと、サイレント映画専門の楽士・鳥飼りょうさんによる即興演奏でさまざまな作品を上映してきた。
今回は開催場所を1階のシアターに移し、サイレント映画の短編と長編を合計14日間、ピアノ伴奏と共に上映する企画としてパワーアップ。8月28日(土)から9月3日(金)までを短編ウィーク、9月18日(土)から9月24日(金)までを長編ウィークとして実施する。
シアター内に電子ピアノを持ち込んで、その場で即興演奏を行う(左が楽士の鳥飼りょうさん)
初日となった8月28日(土)は、『チャップリンの冒険』を上映。終了後には鳥飼さんと、元町映画館の林支配人、キネプレ森田によるアフタートークも行った。
トークでは、鳥飼さんの経歴や、チャップリンを含むサイレント映画の歴史、演奏を即興でつける楽士、という仕事などに言及。
林支配人からは感想として、「短い時間の中に、いろんな演奏が組み込まれていて、濃密に感じられることができるのも素晴らしい。感情が演奏によって揺り動かされていて素敵でした」との声が上がった。
キネプレ森田は、サイレント映画の魅力についてコメント。
「鳥飼さんに教えてもらったのは、『音あり映画(トーキー)』と違って、より画面に集中できる作品が多い、ということです。セリフがなく、演奏と映像だけな分、しっかりスクリーンを観て、物語を浴びることができるのが楽しみの一つかなと思います」
さらに「演奏上映は、映画の上映なんだけどイベントでもある、というのが両立しているスペシャルな時間だなと。そして今残っているサイレント映画の大半は、時代に耐えてきた名作ばかり。選りすぐった作品を、今ではたとえばプロジェクターや電子ピアノなど、デジタルも駆使することで楽しめる機会が増えてきたのだと思います」と話した。
今回の短編ウィークや長編ウィークの作品ラインナップについての言及も。
森田からは「うちのスタッフ言っているのを聞いて、良い表現だと思ったのですが、これは鳥飼さんのいわば『推し活』なんだそうです。つまり全作品が、鳥飼さんのオススメ映画。それをいろんな人に観ていただければ、という思いがあるんですよね」とコメント。
林支配人は「なるほど、つまりこのSILENT FILM LIVEも、いわば鳥飼さんによるサイレント映画の推し活動なんですね」と得心した様子だった。
鳥飼さんは「そうですね、私個人として全部面白いと思っている作品をそろえています。仕事としてそれを届ける、いわば映写技師と同じような感覚でピアノを弾いています。ぜひ気になる作品があれば足を運んでみてください」と締めくくった。
元町映画館での「SILENT FILM LIVE」は9月3日(金)まで各日12時30分から短編ウィークを開催中。9月18日(土)から9月24日(金)までは各日15時30分から長編ウィークとして実施予定。
詳細情報 |
■上映日程 ・短編ウィーク 8/28(土)~9/3(金) 各日12:30~ ・長編ウィーク ■料金 ・長編ウィーク ■映画館 ■サイト |