兵庫県・尼崎市の映画館から西表島の炭鉱に物語が展開する増山実さんの小説「波の上のキネマ」が、尼崎のピッコロ劇団により舞台化。2月19日(金)から3日間、西宮市の兵庫県立芸術文化センターで上演される。
『波の上のキネマ』は、2013年に『勇者たちへの伝言』でデビューした小説家・増山実さんが2018年に手掛けた小説。
尼崎で映画館を経営する男性が、祖父が創業した同館の歴史をたどるうちに、思わぬ事実と物語に出会う様を、丁寧な取材による事実と、フィクションを織り交ぜながら描く。
物語は、閉館の危機を迎えた小さな映画館を舞台にスタート。館主の安室俊介は、今後の決断を迫られる中、映画館のルーツを調べ始めることに。そして、創業者で祖父の俊英が、80年前、西表島に存在した炭鉱で働いていたことを知る、というストーリー。
兵庫県・尼崎の映画館「塚口サンサン劇場」も、作中には少し名前を変えて、「塚口ルナ劇場」として登場。増山さんが同館に取材した際に聞いたエピソードも、作中にふんだんに盛り込まれている。
今回は、同じ尼崎に拠点を置くピッコロ劇団により、舞台化。
劇団太陽族の岩崎正裕さんが脚本・演出をつとめ、ピッコロ劇団員やその他関西の演劇人が出演。西宮市の兵庫県立芸術文化センターにて、2月19日(金)~2月21日(日)までの3日間合計5回、上演される。
増山さんは「現代と近代、尼崎と沖縄、スクリーンの向こう側とこちら側。さまざまな時と空間が混ざり合うこの物語を、関西で活躍する俳優の皆さんが、「舞台」という空間でどのように表現されるのか。また、「映画」をめぐる物語を、どのように「演劇」で表現されるのか。とても興味があります」と期待を寄せる。
「そこではきっと、「小説」でも「映画」でも表現することのできない、豊かな世界が繰り広げられることでしょう。『波の上のキネマ』の登場人物たちが、「スクリーンの向こうの物語」に夢中になったように、この作品をご覧になる皆さんが、ひととき「物語の世界」に夢中になってくださることを願ってやみません。どうかお楽しみください」と呼びかけている。
舞台「波の上のキネマ」は、新型コロナウィルス感染拡大対策を充分に取ったうえで、西宮市の兵庫県立芸術文化センターで2月19日(金)~2月21日(日)までの3日間合計5回、上演予定。当日券あり。
詳細情報 |
■日程 2月19日(金)19時~ 2月20日(土)11時~/16時~ 2月21日(日)11時~/16時~ 開場は開演の45分前。全公演当日券あり。 ■料金 ■開催会場 ■サイト |