6月9日(土)に映画『見栄を張る』の舞台挨拶が大阪のシネ・ヌーヴォで行われ、映画上映後に監督の藤村明世さんとキャスト陣が登壇した。
映画『見栄を張る』は、2018年秋公開予定の是枝裕和監督製作総指揮のオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の中の一作『その空気は見えない』も手掛ける藤村明世さんが、監督・脚本を務めた作品。これまで短編映画で注目を集めた藤村監督だが、今作が長編デビュー作となる。
女優として周囲に見栄を張りながら何者にもなれていないという思いを抱いている主人公が、姉の死をきっかけに地元・和歌山へ帰郷。姉が葬儀で参列者の涙を誘う「泣き屋」の仕事をしていたことを知り、自らも「泣き屋」を始めることで、葛藤し成長していく姿を描く。
壇上には藤村監督のほか、出演者の辰寿広美さん、真弓さん、時光陸さん、澤田由衣さん、古妻朋瑛さん、南羽真里さん、辻葉子さん、岩田徳承さん、美村多栄さん、小夏いっこさんの総勢11名が並んだ。
拍手で迎えられた藤村監督は「本日は観ていただいてありがとうございます。大人数出てきてびっくりされた方もいると思うんですけど、大阪のスタッフ、キャストほとんど大阪の方ということで、こんなにたくさん集まっていただいて本当に幸せだなと思ってます。短い間ですが舞台挨拶を楽しんでいただけたら」と観客へ感謝の気持ちを述べた。
大阪での公開を迎えたことについて感無量の様子の藤村監督。「2年半前くらいに撮って、そこから中々公開できず、やっと公開できました。3月下旬から4月中旬くらいまで渋谷のユーロスペースで上映して、反響をすごくいただきました」と目を輝かせた。「そしてやっぱり、撮影からこれだけ経つといろいろ変わるなと思って。今回の登壇者にもなんと妊婦さんが二人もいるんです。本当におめでたい映画だなと。とても嬉しい」と大きなお腹を抱える女優さんに笑顔を向け、会場は微笑ましい空気に包まれた。
和歌山と大阪で撮影が行われた本作。2週間の撮影期間の8割を和歌山で過ごしたことについて、キャスト陣がそれぞれ印象に残っているエピソードを披露した。
和気あいあいとしたムードが漂う中、「すごい楽しい時間を過ごさせていただいているんですけれど」と監督。「そろそろ終わらなきゃいけないということで最後締めさせていただきます」と名残惜しそうに話し、「大阪にこうして戻ってこれました。2年半前に撮った時にはこんなに多くの方に観ていただける映画になるとは思わずにいたので、こうやって多くの方々にこれだけ広がっていって本当に幸せです」と挨拶した。「もし今日、作品が良かったって思ってくださった方がいたら、友人やご家族の方に広めていただければ。いつも私たちスタッフやキャストのみなさんの一番の糧はみなさんのご感想です。『これから頑張ろう』『この映画を広めて行こう』と思えるものなので、SNS等でご感想をいただけたら嬉しいです」と観客に呼びかけた。
また、手にしていたトートバッグを掲げ、関連グッズの宣伝も。作中で久保陽香さん演じる主人公の絵梨子が扮したスーパーラビットをあしらったグッズなども紹介した。
最後に藤村監督は、「こうやって多くの方に観ていただいて愛されている映画だなと本当に嬉しく思っています。お家へ帰って映画のことを思い出してくださったり、あと作中に出てくるペヤングを食べてくださったり、それで思い出してくださったらすごく私は幸せです。本当に映画作ってよかったなって心から思ってます。本当にみなさんと作れてよかったです。本日は観に来てくださって本当にありがとうございました」と挨拶した。
映画『見栄を張る』はシネ・ヌーヴォで6月29日(金)まで公開中。6月15日(土)からジストシネマ和歌山、6月16日(日)から元町映画館での上映が予定されている。
映画『見栄を張る』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 ・シネ・ヌーヴォ 6月9日(土)~6月29日(金) ・元町映画館 ・ジストシネマ和歌山 ■映画館 元町映画館 ジストシネマ和歌山 ■サイト |