3月18日(日)夜、万葉倶楽部神戸ハーバーランド温泉で「ライムスター宇多丸のSunday Cinema in KOBE Vol.1」が開催。宇多丸さんが関西で映画イベントに登場するのは初めてで、150席の会場は立ち見が出るほどの大盛況。宇多丸さんセレクトの映画『イコライザー』を鑑賞し、上映後にはトークライブが行われた。
新作映画SNSイベントを毎月開催するほか、ポッドキャストも配信する「ツイシネ( #twcn )」と、映画館で映画を見る楽しさを伝える活動の一環として「マンスリー・シネマ・トーク」の開催やポッドキャスト配信を行っている「cinemactif」の共同開催で実現した今回のイベント。
上映された『イコライザー』は、2014年に公開されたアクション映画。ホームセンターに勤務する主人公ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)は、実は元CIAの工作員。彼は行きつけのダイナーで、同じく常連の少女の娼婦アリーナ(クロエ・グレースモレッツ)が、ある日ロシアンマフィアからひどい仕打ちを受け入院したことを知る。その非情さにマッコールの正義感が目を覚まし、ロシアンマフィアと対決するというストーリーだ。
上映前に登壇した宇多丸さんは、映画の見どころとして「マッコールがイコライザーとして目覚めるまでの序盤30分のゆっくりとした描写がこの作品の味のあるところ。注目してほしい」と呼びかけた。普段ラジオで使っているノートを見せる場面もあり、観客からは歓声が上がった。
上映後、宇多丸さんはイベントを主催した「cinemactif」と「ツイシネ( #twcn )」のペップさんとタキさんとともに登壇。
3人は『イコライザー』の主人公、マッコールが働くホームセンター「home mart」のロゴが入った特注の緑のエプロンという出で立ち。宇多丸さんも「イコライザーグッズとしては秀逸」と気に入った様子。自身も久しぶりに鑑賞したという『イコライザー』に「楽しんでいただけましたか」と問いかけ、観客も拍手喝采で応じた。
トークは宇多丸さんによる解説からスタート。上映前に注目してほしいと語っていた冒頭部分については「ひとつも直接的なことを言っていないのにマッコールの過去がよくわかる。その描写が上手い。この映画が良いのは、序盤の静かな展開があるからこそ、彼に対する敵側の驚きを観客も同じ飛距離で感じることができるところ」と熱く絶賛した。
『イコライザー』のようなジャンルの映画は、「舐めてた相手が実は殺人マシーンでした映画」(映画評論家のギンティ小林さん命名)とも呼ばれる。
「この系統の映画はいつ頃から出てきたのか」という問いに、宇多丸さん自身もその場で考える展開に。宇多丸さんは「殺人マシーン」という言葉に注目し、超人的な能力を持つ人物として軍隊の特殊部隊を上げ、その存在が世間に定着したベトナム戦争後ではないかと推察した。その時代のいくつかの映画をたどりながら、最終的にこのジャンルが完成したのは「完全に『ランボー』ですよね!」と自信をもって結論づけた。
後半は観客との質疑応答の時間も。ツイッターで質問をツイートするというシステムで、様々な質問が飛び交った。
たとえば劇中でマッコールはホームセンターの様々な工具を武器にし、敵を倒すことにちなみ、「宇多丸さんの好きな工具はなんですか」という質問も。会場が笑いに包まれる中、宇多丸さんも「やっぱりドリルですかね」と笑う。「あと有刺鉄線も痛そう。あそこでチェーンソーとかに行かないところが粋ですよね」と楽しげに回答した。
また「ジョン・ウィック、クリスチャン・ウルフとの三つ巴の戦いが勃発したら誰が生き残ると思いますか」という質問には「いやー、そりゃあマッコールさんでしょう」と即答するなど、大いに盛り上がったイベントとなった。
イベント後は、ツイッターでの感想も多数。詳しくはこちら。
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