世界の短編映画を上映する「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 大阪 2017」が9月16日(土)大阪・梅田のグランフロント大阪北館4階にあるナレッジキャピタル「ナレッジシアター」にて開幕した。
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」は、俳優の別所哲也さんが1999年にショートフィルムを日本に紹介するためスタートさせた国際的な祭典。大阪での開催は今回が5回目となり、9月16(土)~18(月・祝)の3日間開催される。
初日の16日(土)は開場前から大勢の観客が列をなし、大賑わい。「食事を楽しみながら映画を見る」をコンセプトに「EAT FILM」と題し、各日先着300名にサブウェイのサンドイッチが配られ、観客はそれを持って会場へ。客席は、老若男女問わず大勢の人で埋め尽くされ満席となった。
第一プログラムは「ジャパンショート特集」からスタート。女優の黒木瞳さんの短編映画初監督作品で、高校時代の淡い恋物語を描いた『わかれうた』など、様々な角度から日本の魅力を発信する5作品が上映された。上映後、黒木瞳さんが登壇し、トークショーが開催された。
短編映画を監督することとなった経緯について、昨年の春ネスレジャパンの高岡社長と日本放送のラジオで対談したことがきっかけだったと明かす黒木さん。その際、ネスレジャパンでは、コマーシャルだけでなく、短編映画を通して、ブランドを世界中に配信するという試みをしていることを知り、とても興味を持ったという。その後、黒木さん自身が初監督した長編映画『嫌な女』が公開され、高岡社長に観てもらったところ、「次はうちで」とオファーが来たという。その時の心境について黒木さんは「『嫌な女』を撮った時は、もちろん一生に一度だと思っていたので、オファーが来るなんて……。でも、オファーが来たらやるしかないなと思った」と明かした。
実際どんな作品を作ればいいかと考えた時に、自身の高校時代の修学旅行にギターを持ってきたクラスメイトがおり、みんなの前で『わかれうた』を歌ってくれたことを思い出したという。どうしてあの子はギターを持ってきたんだろうと思い、帰りの夜行列車で彼を探し出し、デッキで一晩中語り合ったという思い出話を高岡社長にしたところ、「それを是非映画に」ということとなり話が進んだとのこと。「ただ、その修学旅行で歌った歌が『わかれうた』ではなかったことを撮影の途中で思い出したんです。『酒と涙と男と女』だったんです」ととんだ勘違いだったことを明かし、会場を沸かせた。
実際に映画の中で使われているカセットは、実際に黒木さんの高校時代の私物であることも明かされ、フィクションではあるものの、黒木さんの思い出が沢山詰まった作品であると、またカットに非常にこだわったことなどについて語った。
またショートフィルムについては、昨年同映画祭にて、審査委員を務めたことがきっかけで初めて観たと話す黒木さん。「短編映画がどういうものなのか、何故短編なのかわからなかったのですが、実際に観てみて、長編映画でも、短編にすればいいじゃないという作品もあるし、短編映画でも、長編にすればいいじゃないというのがあるということ、そして長編には長編、短編には短編の作品に向いているものがあるということを知った」と述べた。また本作について「コンペティションに出すなら25分以内と決まっているのですが、今回はブランデッドということで、27分と、2分オーバーしていますが、こういう短い時間でも楽しんでいただけるという、短編映画の力というものを感じた」とコメントし、トークショーは終了した。
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 大阪2017」は、明日9月18日(月・祝)まで、大阪・梅田のグランフロント大阪北館4階にあるナレッジキャピタル「ナレッジシアター」にて開催。入場無料。
詳細情報 |
■開催日程 9月16日(土)・17日(日)・18日(月・祝) ■料金 ■開催会場 |