兵庫県尼崎市の塚口サンサン劇場で6月10日(土)・11日(日)の2日間、謎解きイベント『シアター0の秘密』が開催へ。今回はそれに先立っての6月3日(土)のテストプレイの様子を紹介する。
昨年4月に開催され、各回満員となり大盛況だった謎解きイベントが今年も開催。関西を中心に謎解きイベントをプロデュースするクロネコキューブ株式会社と、塚口サンサン劇場がコラボし、映画館全体を使った謎解きイベントを企画した。
参加者はゲームの主人公となり、館内に散りばめられた暗号や謎を解き、制限時間内に目的を達成させる、参加者体験型のイベント。参加者は秘宝を探す調査チームの一員となり、塚口サンサン劇場にある幻の「シアター0」に眠る秘宝を見つけ出すというのが、今回のゲームの内容。
テストプレイには約30人が参加。カップル、夫婦、友達、兄弟などペアやグループでの参加が目立ったが、一人で参加者も少なくない。年齢層は10代〜50代ぐらいと幅広く、ほとんどが謎解きイベントの経験者。女性の参加者も多く、性別・年齢問わず人気があることがわかる。
参加者は、まずブレスレットと問題用紙が渡され、シアター内で注意事項の説明を受けてスタート。スクリーンに映った映像を見ながら、渡された問題を解くのが最初のミッションだ。
問題が解けた人からシアター内から脱出することができる。用紙とにらめっこしながら必死で問題に挑む参加者。その表情は、真剣そのものだった。次第に正解者が現れ、シアターから脱出する人が。
シアターから脱出すると、参加者には新たな問題が出題される。ロビーやシアター内にも暗号やヒントが散りばめられており、参加者は館内を自由に歩きながら謎を解いていく。
シアターの通路や地下1階スペース、さらに普段入ることができない映写室にも問題が隠されていた。参加者は暗号を解読したり、怪しいところにヒントがないか探したりと、館内を歩き回る。チーム内で相談しながら進める参加者がいる一方、一人で真剣に謎に挑む参加者もおり、自由に謎解きを進めていく。謎が解けた瞬間、嬉しそうな表情をしているのが印象的であった。
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制限時間が終了すると、謎解きの解説が。再びシアターに集合した参加者に、出題された問題の答え合わせを行った。
この日の正解率は約20%。中には1時間程度でクリアした強者もいる。
イベント担当者に聞いたところ、前回より少し難易度がアップしているそうで、館内全体に謎やヒントが散りばめられているため、効率よく問題を解くのがクリアのコツだという。
イベント終了後、参加者に感想を聞いてみた。夫婦で参加した50代男性は謎解きイベントの大ファンで、さまざまな謎解きイベントに参加しているそう。夫婦で協力していたが、クリアすることができず「最後の問題が特に難しかったです」と悔しそうに話してくれた。
友達同士で参加した女性2人もクリア失敗。こちらも謎解きイベント経験者だが、最後の問題に苦戦したという。「館内を歩き回って謎を解くのが楽しかった。とにかく動きましたね。でも楽しかったです」と感想を話してくれた。
塚口サンサン劇場の戸村文彦さんは、謎解きイベントをしようと思ったきっかけについて「映画館を、映画を観る以外の楽しみ方があることを提案したいと思ったからです」と話す。映画館での謎解きイベントの実施例はあるが、シアター内でスクリーンの映像を観ながら問題を解くスタイルがほとんど。本イベントのような映画館全体を使って行われるケースは、全国的にも珍しいスタイルだ。
戸村さんは「シアター内はもちろん、映写室の中など普段入ることのできない場所に入ることができるのが、このイベントの面白いところ。映画館という場所をもっと知ってもらいたい。前回のイベントがきっかけで、映画を観にきてくれた参加者の方もいます」と語った。さまざなイベントを仕掛け、劇場のファンを増やす塚口サンサン劇場ならではの試みであることがわかる。
本番が行われる6月10日(土)・11日(日)のチケットはすでに完売とのこと。しかし、反響の大きいこともあり、戸村さんはそれ以降の開催も検討しているという。「次は子供たちに向けてのイベントも考えています。映画館という場所を、映画を観ること以外にも楽しい場所であることをもっと知ってほしい」と意欲を語った。
詳細情報 |
■映画館 塚口サンサン劇場 (尼崎市南塚口町2-1-1、TEL 06-6429-3581) ■サイト |