大阪・十三のシアターセブンで「多様性」をテーマにした映画祭、「よどがわダイバーシティ映画祭2016」が12月3日(土)より開催される。
同企画をスタートして3年目となる今回。日本で12月に定められている人権週間に合わせて、多様性や人権というテーマより浮かび上がるLGBTや国際交流・異文化理解、障がいなどのキーワードからセレクトされた計8枠11作品が上映される。
まず12月3日(土)からは、『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』『最高の花婿』『ジェンダー・マリアージュ~全米を揺るがした同性婚裁判~』の3作品を上映する。
実話を基に、落ちこぼれクラスの生徒たちが新任教師のアウシュビッツに関する講義を通して成長する姿を描く『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』と、国や人種、宗教の異なる男性と結婚する4姉妹とその家族の繰り広げるコメディドラマ『最高の花婿』は、どちらも多民族国家フランスが舞台の作品。『ジェンダー・マリアージュ~全米を揺るがした同性婚裁判~』は、アメリカ・カリフォルニア州で起こった同性婚を巡る歴史的な裁判を追ったドキュメンタリー。
12月10日(土)からは、障がい者と健常者が入り混じって戦うプロレス団体のドキュメンタリー『DOGLEGS』と、DX(ディスレクシア)という発達障がいを知らずに苦しんできた砂長宏子さん(美んちゃん)の自立への道を追う『DXな日々 美んちゃんの場合』という、障がいをテーマにした2作品を上映。
12月10日(土)・11日(日)には、『DXな日々』出演の砂長宏子さんによるミニトークも予定されている。
続いて12月17日(土)からは、差別問題などを扱った社会派ドキュメンタリー監督として知られる田中幸夫監督の部落映画を特集する。
「部落の心を伝えたいシリーズ」3作や、『風の人になりたい 岡本工介~アメリカ篇~』、『叫びとささやき 更池1992』を上映するほか、12月17日(土)には田中監督を含む4名のパネリストが部落問題を語るシンポジウムも開催される。
また、12月18日(日)からは、今年度文化庁映画賞・文化記念映画優秀賞を受賞した『さとにきたらええやん』も公開。日雇い労働者の街・西成区釜ヶ崎で38年続く「こどもの里」の子どもたちと街の人々の日常が描かれている作品で、大阪の第七藝術劇場では再々上映が企画されたほどの人気を博していた。
同館の担当者は、「LGBTや障がいなどをテーマにした映画祭はあるが、それらのテーマを多様性という広い括りで捉えた映画祭は他ではやっていない」と語る。「関心のあるテーマはもちろん、さまざまな視点から、多様な人々や生き方が受け入れられる社会について考えるきっかけになれば」と期待を寄せている。また、旧作だけでなく今年公開された新作も上映するため、「劇場で見逃した映画ファンの方もこの機会に是非」とも呼びかけている。
「よどがわダイバーシティ映画祭2016」は、大阪・十三のシアターセブンで12月3日(土)から12月23日(金)の3週間開催。通常の作品上映は12月16日(金)までで、12月17日(土)からは田中幸夫監督特集を実施する。『さとにきたらええやん』は12月18日(日)から上映開始。
期間中の水曜日は、性別問わず1,100円で鑑賞可能。大阪市の淀川区民は、現住所が分かるものを提示すれば1,000円になる特別割引も実施する。今回の特集企画用の回数券も劇場窓口にて販売する。
詳細情報 |
■開催日程 12月3日(土)~12月23日(金) ※『さとにきたらええやん』のみ、12月24日(土)まで上映 ■料金 「よどがわダイバーシティ映画祭2016」回数券 ■映画館 ■サイト |