京都のミニシアター3館、京都シネマ、京都みなみ会館、立誠シネマが3館同時に「園子温」の上映企画を実施。一人の映画監督についての作品を3館が同時に手がけるのは異例のこと。
園子温さんは、「ぴあフィルムフェスティバル」入選で頭角を現した映画監督。4時間を越える大作『愛のむきだし』(2008年)は、ベルリン国際映画祭フォーラム部門でカリガリ賞と国際批評家連盟賞を受賞。『冷たい熱帯魚』(2010年)ははベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で上映された。
ほかに、『みんな!エスパーだよ!』『リアル鬼ごっこ』などの商業映画を制作している。
今回は、最新作であり、監督が設立したシオンプロダクションの第1作として自主制作で完成させたモノクロSFドラマ『ひそひそ星』と、園監督の一年を記録した長編ドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』(2016年、97分、監督:大島新)が公開されるのに合わせて、京都のミニシアター3館、京都シネマ、京都みなみ会館、立誠シネマで同時に園子温関連企画が始動した。
まず京都シネマでは、10月8日(土)より、『園子温という生きもの』が上映中。
そして立誠シネマでは、10月16日(日)より、『ひそひそ星』の上映が始まる。同館では同日より、特集企画「これが園子温だ!」もスタート。監督の初期作『俺は園子温だ!』(32分)や『自転車吐息』(1989年、93分)から、『部屋 THE ROOM』(1993年、93分)、『桂子ですけど』(1997年、61分)、『紀子の食卓』(2005年、159分)、『冷たい熱帯魚』(2010年、146分)、『恋の罪』(2011年、144分)、『BAD FILM』(2012年、161分)まで、8本の短編・長編を一挙上映する。『ひそひそ星』展や園子温監督ブックフェアも開催する。
さらに京都みなみ会館では、10月15日(土)にオールナイト上映を実施。「園子温監督特集ナイト<コリント書の第13章を知ってるか?住田くんは普通じゃないよ!ナイト>」と題し、『愛のむきだし』(2008年、237分)『ヒミズ』(2011年、129分)という園子温監督の代名詞とも呼べる2作品を連続上映する。
今回、京都3館が一人の映画監督の企画を同時に打ち出したことについて、立誠シネマの田中誠一さんは「これは、かつてない事例で、現象として特筆すべきものだと思います」とコメント。当初は、『園子温という生きもの』『ひそひそ星』の劇場公開を、いかに京都の観客に届けるべきか?というところから出発したとのことで、「フタを開いたら過去作の特集上映、ゲストの舞台挨拶、展示企画、ブックフェア、そしてオールナイト上映と、様々なことが次々と、疾走感溢れる展開で(まさに園映画のごとく)沸き起こってきた感があります」と振り返る。
「最初からこのすべてを画策していたわけではありません。劇場間だけでなく、監督をはじめ、お越しくださるゲスト、制作プロダクション、配給会社の皆さんにも『やりましょう!』という意志があったからこそ、実現しました」と田中さん。
「作品も、劇場も、人も、星です。『やりたいことをやる』という意志で輝きます。夜空の星座と違うのは、皆さんがその光源にじかに対面して頂けることです。それぞれの劇場をまわり、それぞれの星の光の出処に触れて頂きたい」と期待を寄せている。
詳細情報 |
■上映期間 ・京都シネマ『園子温という生きもの』 10月8日(土)~ ・京都みなみ会館 ・立誠シネマ『ひそひそ星』 ・立誠シネマ特集企画「これが園子温だ!」 ■映画館 京都みなみ会館 立誠シネマプロジェクト ■サイト |