今年の「第11回大阪アジアン映画祭」の特別招待作品として上映された韓国のドキュメンタリー映画『でんげい』(映画祭では『いばらきの夏』として上映)が全国公開へ。11月からシネ・ヌーヴォで先行上映される。
『でんげい』は、韓国・釜山のMBCテレビ局のプロデューサー、チョン・ソンホ監督が手掛けた作品。在日韓国人の学生たちが、韓国・朝鮮の伝統文化を発表する姿を追ったドキュメンタリーだ。
2014年7月27日から31日に開催された第38回全国高等学校総合文化祭「いばらき総文2014」の伝承芸能部門に、大阪府の代表として白頭学院建国高校の伝統芸術部が選出。ほとんどの出場校が日本の伝承芸能を披露する中で、韓国・朝鮮の伝統文化「地神パルキ」を発表する9名が、「日本人に理解してもらえるのだろうか」という壁にぶつかりながらも、懸命に励み、大会に臨む姿を追っている。
韓国では、地上波放送会社のドキュメンタリー作品が、海外にて商業的に封切られるのは異例であるという。
日本での配給を決めたのは、大阪にあるキノ・キネマ。その経緯について、同社代表の岸野令子さんは「大阪アジアン映画祭で特別招待作品になった本編を観て、日本で広く観られるべき映画だと決めました」と話す。また、ゲストで来阪された監督からも、「是非日本で公開してほしい」と言われたり、建国高校の関係者からも、公開要望の声をたくさん聞いたりしたという。
ユニークだったのが、作品のタイトルが決まった経緯だ。もともと2016年の大阪アジアン映画祭では、『いばらきの夏』というタイトルで上映された本作。今回の一般公開決定を機に、新しいタイトルの募集をFacebookで行った。その結果、広告会社に勤める方からのアイディアを採用。建国高校伝統芸術部、略して『でんげい』となった。岸野さんは「え、これ何?というキャッチーなタイトルもいいかと思いました」と採用の理由についてコメントしている。
『でんげい』は11月5日(土)から、大阪・九条のシネ・ヌーヴォにて、大阪先行ロードショーを予定。以降、順次全国公開予定。現在は予告編が公開中。
映画『でんげい』予告編 |
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■上映日程 11月5日(土)~ ■映画館 ■サイト |