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10代の映画鑑賞率・本数が増加 男子は邦画アニメ、女子は邦画実写がトップ

NTTコム リサーチが、第5回「映画館での映画鑑賞」に関する調査結果を発表。10代の鑑賞率と鑑賞本数が増加した結果となった。

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NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」が、 男女別、10代~70代の各世代を均等に、3,207名からアンケートを実施した。
2012年から毎年実施しており、今回で第5回となる。

10代は高い鑑賞率となり、男性10代で55.7%、女性10代で62.0%。男性10代については、過去最高の鑑賞率となった。
10代の鑑賞本数も増加傾向にあり、年間2本以上観る複数本鑑賞者の割合が増加している。女性10代では年間5本から11本の鑑賞者が今回の調査で全体の3割に達した。

直近1年以内に映画館で映画鑑賞をした人は全体の38.7%。昨年の前回調査では35.9%だったから、約3ポイントの上昇となる。

なお、10代は「洋画実写」の鑑賞率は他の世代に比べて最も低く、男性10代は「邦画アニメ」の鑑賞率が68.4%、女性10代は「邦画実写」の鑑賞率が69.8%と高い結果となった。
これは、男性にはアニメファン向けのアニメ映画が、女性には少女マンガ原作の実写化のヒットが、それぞれ大きく影響していると思われる。
全年齢層・男女合わせてのジャンル別分布は、1位が「邦画実写」が62.0%、2位が「洋画実写」の59.4%、3位が「邦画アニメ」38.9%。4位「洋画アニメ」25.8%、となっている。

女性10代
男性分布
女性分布

ちなみに、60代の男性については、昨年末から公開された『スターウォーズ フォースの覚醒』の高い鑑賞率47.2%も浮き彫りに。映画館に足を運んだ約2人に1人は鑑賞した計算になる。同作については男性20代も39.3%の鑑賞率となり、オリジナル以来のファン以外にも新たなファンを取り込めたことがうかがえる。

一方、多くのミニシアターでは昨今、観客の高齢化が叫ばれている。かつて1980年代後半から1990年代に起こったミニシアターブームを経験した人たちも、いまでは50歳前後の世代となった。今回の鑑賞率・鑑賞本数が増加した10代は、そうしたミニシアターブームを経験した人の子どもでもおかしくない世代だ。
関東では、渋谷のシネマライズ、シネマート六本木、吉祥寺バウスシアターなどのミニシアターの閉館が続いている。
関西では現状のミニシアターには動きがないが、高齢化する客層に対応しながらも、それそれが新しい取り組みで、若い観客層の増加を模索しているのが見て取れる。
一方、『ガールズ&パンツァー』や『KING OF PRISM by PrettyRhythm』の応援上映のように、アニメ映画をイベント仕立てにして、アニメファン層を取り込むことに成功している映画館も現れた。

だが、ミニシアター系映画館での上映作品は、少女マンガ原作ではない「邦画実写」と、大作系ではない「洋画実写」がほとんどを占めている。そうした作品に、どうやって10代の観客を呼び込むことができるのか。ミニシアターの模索と奮闘は、まだまだ続いている。

詳細情報

■サイト
第5回「映画館での映画鑑賞」に関する調査