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「子どもの頃の空想に答えを出したい」阪本順治監督作『団地』が公開へ

藤山直美さん主演、阪本順治監督作『団地』が、6月4日(土)よりシネ・リーブル梅田などで公開予定。阪本監督は久しぶりのオリジナル作品、そして『顔』以来16年ぶりの藤山さんとのタッグとなる。

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大阪市内での会見に出席した阪本順治監督(左)と藤山直美さん

『団地』(2016年、103分)は、『どついたるねん』で監督デビューし、『亡国のイージス』『座頭市 THE LAST』『北のカナリアたち』『人類資金』『ジョーのあしたー辰吉丈一郎との20年―』などを手がけた阪本順治監督の最新作。
藤山直美さんを主演に、団地に引っ越してきた夫婦に関しての噂が、住民やマスコミ、警察までも巻き込む一大騒動を引き起こす様子を描く。無職の夫を演じるのは、岸辺一徳さん。石橋蓮司さん、大楠道代さん、斎藤工さんらが脇を固める。
阪本監督と藤山直美さんは、2000年の映画『顔』以来のタッグ。実在の逃亡犯をモデルにした犯罪ドラマ『顔』は、同年度の「キネマ旬報ベスト・テン」の日本映画部門第1位や、主演女優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞を受賞し、大きな反響を呼んだ。

5月19日(木)に大阪市内で行われた記者会見では、阪本順治監督と藤山直美さんが登場。
阪本監督は同作を思いついた経緯について、「子どもの頃に空想と妄想で遊んでいたことや、僕がその頃ずっと考えていた人が死んだらどこへ行くのかということについて答えを出してみたいと思ったんです」と話す。
藤山さんは、「阪本監督が撮ってくださるなら」と出演をOKしたあと、台本を読んだら「ついに監督は頭がおかしくなったんかな?」と思ったと笑う。監督は、「僕としては、そう言ってもらえると嬉しい。藤山さんに『何これ?』と言われたくて頑張って脚本を書いたので(笑)」と振り返り、「今回は藤山さんをできるだけ遠いところに連れて行きたかったんです」と話した。

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(C)2016「団地」製作委員会
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(C)2016「団地」製作委員会

大阪で公開されることについては、関西出身の阪本監督としては「大阪を舞台にした映画を大阪で公開するのはすごく怖い」という。デビュー作の『どついたるねん』も大阪では酷評された過去を振り返り、「大阪は娯楽に対して厳しいんです」と話した。
それを受けて藤山さんは「怖いから、大阪では役者が育つんです」と断言。「何でもわーきゃー言うようなお客さんではなくて、内心で早く終わったらいいのにと思っているような団体客に、大阪の役者は育てられるんやと、私の父はいつも言っていました。興味もなかったお客さんに、終わった後に面白かった、来て良かったと思ってもらえるまで頑張るのが役者だと思うので、大阪のお客さんが一番親切やと私は思います。なんでって、ほんまのこと言ってくれるから。私は関西のお客さんをすごく信頼してますし、私はこれからも関西で頑張っていきます」と宣言した。

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阪本監督は最後に作品について、「今回の映画では、ユーモアも含めたキテレツな部分の頃合いがすごく難しかった」と話す。「結局は、僕たちが生みの親で、映画館がゆりかごで、育ての親がお客さんだと思っているので、後は野となれ山となれですね。それでも、久しぶりのオリジナル作品なので、自分のことが問われると思うと怖いですが、お客さんの反応が楽しみです」とPRした。

映画『団地』は、6月4日(土)よりシネ・リーブル梅田、TOHOシネマズなんば、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほかにて公開予定。

映画『団地』予告編

詳細情報
■上映日程
6月4日(土)~

■サイト
映画『団地』公式サイト