2016年1月17日で阪神・淡路大震災は21年が過ぎ、2016年3月11日に東日本大震災は5年目を迎える。
日本で起きた震災を通し、神戸と福島を舞台にした『LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』が2016年1月16日(土)より大阪のシネマート心斎橋と神戸の元町映画館、福島県のフォーラム福島で全国よりいち早く公開が始まった。
監督は井上剛さん。NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で被災地に生きる人々の姿を、映画『その街のこども 劇場版』では阪神・淡路大震災で被災した子供たちの15年後の想いを描き、震災の今を届け続けている。毎年この時期にシアターセブンでは『その街のこども 劇場版』を上映している。
『LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』の初日舞台挨拶があったシネマート心斎橋と元町映画館では、井上剛監督と渡辺大知さん(黒猫チェルシー)が登壇者としてトークを展開した。
「この作品は人がつないでくれた企画だった」と話す井上監督。『あまちゃん』が終了する頃、今作の脚本を担当した一色伸幸さんと『その街のこども』のプロデューサー京田光広さんからこの企画の話を聞き、すぐに『あまちゃん』『その街のこども』でもタッグを組んだ音楽担当の大友良英さんに相談したという。『その街のこども』と同じく、まずはNHKドラマとして全国放送し、そのあと未公開シーンを追加して劇場版として公開する事になった。
『その街のこども』では、神戸にゆかりのある森山未來さん・佐藤江梨子さんの2人を主演に選んだが、今作も配役にはこだわりが。大人の役どころに、阪神・淡路大震災の復興ソング「しあわせ運べるように」をソウルソングにしているという神戸出身のバンド黒猫チェルシーのボーカル渡辺大知さんや、福島での復興ライブを数多く出演しているグループ魂のボーカルで自身も福島出身の皆川猿時さん、震災に縁のある南果歩さんやともさかりえさんにオファーした。
一方、福島を目指す若者を演じる俳優はオーディションで選び、ヒロインの朝海を演じる石井杏奈さん(E-girls)を始め、木下百花さん(NMB48)、柾木玲弥さん、前田航基さんらフレッシュな顔ぶれに。福島に足を運んだ事が無く阪神・淡路大震災を知らない若者と、実際の震災を知る大人というキャスティングが、リアリティを生み出した。
神戸での撮影にあたっては、「しあわせ運べるように」の作者で神戸の小学校で音楽教師を務めている臼井真さんや、映画での学校撮影をお願いした女子高の合唱部に取材したという。
一方福島の撮影では、井上監督は特に演技のアドバイスはせず、俳優が感じるままに動き演じるのを待ったという。その結果、木下百花さんが急に走り出すシーン、ともさかりえさんの熱演など、印象的なシーンがいくつも生まれた。
渡辺大知さんは最後に、「あらゆる人が同じ意見持つことを望まなくても良い。人と人とが歩み寄るには、理解するのでも無視するのでも無く、相手のことを考えるのが大事なのではないかと思います」と観客に呼びかけ。井上監督は「見える風景はそれぞれ違ういますが、観てもらえることに意味がある映画です。一人でも多くの人に観ていただきたいと思います」と締めくくった。
『LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』は、大阪・心斎橋のシネマート心斎橋、神戸・元町映画館で2016年1月16日(土)より公開中。京都シネマでは2月20日(土)より公開予定。
『LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 ・シネマート心斎橋 1月16日(土)~ ・元町映画館 ・京都シネマ ■映画館 元町映画館 京都シネマ ■サイト |