“映画を食べる”謎の生き物「ばくー」。神戸など関西圏を中心に、積極的に活動を始めて、約1年がたった。改めてこの不思議なキャラクターの秘密に迫る。
「ばくー」は、映画が大好物のキャラクター。一説によると「映画評論家の淀川長治さんが神戸の新開地にいたとき、すでに一緒に映画を観ていた」らしい。年齢は不明。住んでいる場所も不明だが、自宅には「映写機のような仕組みのところを通って」帰る。
約1年ほど前からは、ツイッターやフェイスブックも精力的に展開。映画館での上映にお邪魔したり、試写会やイベント、映画祭に顔を出したり、と各地を動き回っている。2014年10月には東京国際映画祭にも足を運んでいた。お気に入りは、映画監督とツーショットを撮ることだという。
そんなばくーだが、一番好きなのはなんといっても「映画を食べる」ことだ。ばくーは話せないため、キネプレからばくー宛にメールでインタビューしたところ、「映画やきらきらとしたものは全部美味しい」と返答があった。刺激の欲しいときや、とにかく満腹になりたいときは、美味しいと思う映画が変わるという。「お腹が空いているときは、インド映画が好物」とのこと。確かに、インドの歌って踊るマサラ上映にもよく顔を出していた。「あと、ドキュメンタリー系も腹持ちいいよ」との回答だ。
ずんぐりした体型だが、意外と映画館の椅子にはきちんと座る。ダンスイベントのときは、少し体を揺らしたりと、なかなかノリがいいのも特徴だ。でも普段の歩みはゆったりで、交差点ではいったん立ち止まって左右をちゃんと確認する。
手はけっこう器用。映画の感想ノートやアンケートにも気軽に書き込もうとする。ただし書くのはイラストに限るようだ。自画像が結構得意。
「映画好きの人へメッセージはある?」と聞いたら、「食べても映画はなくならないので、安心していただきたい」との答えが。「みなさんの夢はいただきませんよ」とさりげに、夢を食べる「獏」との違いをアピールする。
「映画は、夢のように美味しい」と話すばくー。「そして映画は、映画館で食べるのが一番美味しいです」と締めくくった。
ちなみにデザインは、神戸在住のアニメーション作家でベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞に選ばれた和田淳さんによるもの。
また、現在神戸アートビレッジセンターでは、施設利用アンケートを実施。回答者に特製ばくークリアファイルがプレゼントされる。3月30日(月)まで。
詳細情報 |
■映画館 神戸アートビレッジセンター (神戸市兵庫区新開地5-3-14、TEL 078-512-5500) ■サイト |