9月20日(土)から公開の映画『柘榴坂の仇討』の特別試写会が、なんばパークスで8月27日(水)に開催。中井貴一さん、阿部寛さん、若松監督が登場し、作品の見どころや撮影の裏話を語った。
『柘榴坂の仇討』は、作家・浅田次郎の「五郎治殿御始末」内の短編を映画化したもの。幕末、桜田門外の変で主君・井伊直弼が殺害され、その仇討を命じられた彦根藩士の志村金吾と、彼が追い続け、明治時代になってようやく見つけ出した水戸藩浪士最後の一人佐橋十兵衛を描いている。
主演は、同じく浅田次郎原作の『壬生義士伝』(2003年)で吉村貫一郎を演じ、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した中井貴一さん。
今回、実施された特別試写会には、中井さんと、佐橋十兵衛役の阿部寛さん、そして若松節朗監督が登壇。集まったファンを前に、舞台あいさつを行った。
中井さんは「真正面からみんなで、日本人の魂を演じたつもりです」とあいさつ。阿部さんは「久しぶりの時代劇でした。ちゃんと人間を描いているこの作品をやらせていただいたことが、ぼくにとっても大事な経験になりました」と振り返った。若松監督は「名優と良いシナリオをもらうと、監督は何もしなくてもいいんですが、今回はまさにそれ。常にひたむきな中井さんと、良い意味でとても愚直な阿部さん。この2人を迎えて、とてもあたたかい、良い映画ができたと思います」と話した。
時代劇という題材について中井さんは、「時代劇が不振だと言われている昨今、なんの飛び道具もないまっすぐな時代劇を作った制作陣に拍手したい」と評価。「時代劇の魂は、今の自分たちに受け継がれているDNAに、絶対入っています」と話した。
途中、今年1月から2月の約1ヶ月半京都で撮影した時のエピソードも披露。今回追われる役の阿部さんが、「カメラが回っていないところでも中井さんには絶対に会わないようにしたいと思います」と宣言したのに初日にトイレで会ってしまい、メイクもずっと隣だった、と肩を落とすと、中井さんは「これだけ体の大きい人が、見つからないわけない」と話し、会場の笑いを誘った。
また、京都の撮影中、美味しいものを食べたかという質問に、中井さんはまったくなかった、ときっぱり。
「撮影が終わると、毎日疲れ切ってしまっていました。仕事帰りにマラソンしている人っていますよね。この人たちは仕事に全力を出していないのか、なんて思ったりしました」と話し、会場を笑わせた。
また、共演した広末涼子さんについては、中井さんからのオファーで実現したという話も披露。「健気で、日本女性の強さをきちんと演じてくれました」と絶賛した。
最後に若松監督は「優しさ、情愛、敬愛、といった、日本人が持っていたもの、いい部分をたくさん含んだ映画ができました」と話すと、阿部さんが「日本が誇る時代劇映画に出られたことが、いい宝物になりました」と振り返った。中井さんが「俳優たちが京都という時代劇の町で、誠心誠意、精いっぱい演じました。終わったあと何かを感じていただければ幸い」と呼びかけ、舞台挨拶は終了した。
『柘榴坂の仇討』は、9月20日(土)から大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマなどで公開開始。井伊藩があった滋賀県では、9月13日(土)から先行公開中。
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詳細情報 |
■上映日程 9月20日(土)~ ※滋賀県では9月13日(土)から先行公開中 |