三大映画祭すべてで賞を獲得したポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督の、亡命生活43年の軌跡をたどる5作品を上映する特集上映が、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで9月27日(土)から実施される。
イエジー・スコリモフスキは、ポーランド出身の映画監督。ポーランドを代表する巨匠のひとり、アンジェイ・ワイダの作品や、『戦場のピアニスト』などで知られるロマン・ポランスキーの作品の脚本を手がけたのち、自身も長編映画監督デビュー。『出発』でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞。『ザ・シャウト/さまよえる幻響』でカンヌ国際映画祭の審査員特別賞に、『Moonlighting』で同祭の脚本賞に輝いた。さらに、『ライトシップ』『エッセンシャル・キリング』でヴェネツィア国際映画祭の審査員特別賞を2回受賞。世界三大映画祭すべてで賞を獲得した映画監督となった。
私小説的な題材選びと、視覚的なアイディアの奇抜さで高い評価を得たイエジー・スコリモフスキ監督は、冷戦時代のポーランドにおいて反体制的な映画作りをつづけたことから、イギリス、フランスなどへ亡命。43年間にわたり、西側諸国を渡り歩きながら多数の映画を製作した。
今回はそんなスコリモフスキ監督の作品を、「亡命」の観点から特集した企画上映を実施。ベルリン国際映画祭金熊賞に輝いた『出発』(1967年、91分)をはじめ、『シャウト』(1978年、86分)、『ムーンライティング』(1982年、97分)、『アンナと過ごした4日間』(2008年、87分)、そしてヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞の『エッセンシャル・キリング』(2010年、83分)の計5作品を上映する。
同特集の公式サイトでは「約半世紀にわたるスコリモフスキの流浪生活から生まれた作品たちは、舞台となる土地も出演者の国籍もそれぞれに違い、かつ内容的にも多様な主題を扱っています」とPR。「けれども続けてこの5作品を観てみれば、時代と国籍の違いを超えて、そこにひとりの卓越した映画作家の特異な人生の軌跡と、 多彩な作風に内在する一貫した個性的映画作法を見出すことができるでしょう」と呼びかけている。
特集上映「イエジー・スコリモフスキ 『亡命』作家43年の軌跡」は、9月27日(土)から10月10日(金)まで大阪・九条のシネ・ヌーヴォで実施予定。
予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 9月27日(土)~10月10日(金) ■料金 ・当日 『アンナと過ごした4日間』『エッセンシャル・キリング』 ■映画館 ■サイト |