ヨーロッパ的な人間観とモダンな演出で、戦後の日本映画界の中でも異彩を放った増村保造監督の代表作30本を上映する特集企画が、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで実施されている。
増村保造さんは、戦後日本映画を代表する映画監督。ローマの国立映画実験センターへ留学し、その後溝口健二や市川崑ら有名監督の助監督を経て、『くちづけ』(1957年)で監督デビューした。その後生涯で57本の映画を制作。ヨーロッパ的な人間観に貫かれた作風と、モダンで大胆な演出で知られており、日本映画界に大きな影響を与えた。1986年、62歳で死去。
今回シネ・ヌーヴォでは、2014年が増村監督の生誕90年に当たることから、特集企画を実施。デビュー作『くちづけ』から、遺作となった『この子の七つのお祝いに』(1982年)まで、代表作30本を一挙上映する。映画賞や映画祭で激賞された作品も多く含まれており、戦後日本映画の一幕がうかがえるラインナップとなっている。
特集上映「生誕90年 増村保造監督の世界」は、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで開催中。9月26日(金)まで。
9月6日(土)には映画評論家の山根貞男さん、9月20日(土)には元増村組の助監督を務めた近藤明男さんのトークが実施予定。
さらにシネ・ヌーヴォ内では、当時撮影に使われたシナリオなども展示されている。
詳細情報 |
■開催日程 8月30日(土)~9月26日(金) ■料金 ■映画館 ■サイト |