東日本大震災後の福島の子どもたちを追ったドキュメンタリー『A2-B-C』が関西で上映中。監督のイアン・トーマス・アッシュさんが、7月6日(日)に第七藝術劇場で舞台あいさつを行った。
『A2-B-C』(2013年、71分)は、日本在住のイアン・トーマス・アッシュさんによるドキュメンタリー映画。タイトルは、甲状腺検査の判定レベルから引用した。
イアンさんは2011年3月11日の東日本大震災の11日後、福島を訪れ、取材を決意。取材に応じた母親たちは、県内の子どもたちの甲状腺検査について、A2判定の子どもが2011年は28.2%だったのに、2012年は43~44%に増えた、と訴える。イアンさんは、そういった状況や、校庭・通学路の汚染除去の実態も撮影した。
今回行われた舞台挨拶では、最初から監督が質疑応答を促し、多くの観客が質問を行った。
「作らないといけないと思って作った作品。残念ながら楽しいと思って作っていません。やらないといけないと思って取り組んできました」と振り返る監督。
映画を観たあと、「何かをしたいけど何をして良いかわからない」という声を寄せられることが多いという。「この国が大好きだからこそ、作りました。観た人たちがそれぞれ、自分で考えてもらいたいと思います」と呼びかけた。
その他、行政の在り方や福島の実態など様々な質問が飛び出し、監督は一つ一つ丁寧に返答。トーク終了後もロビーで観客との交流が行われた。
『A2-B-C』は、第七藝術劇場で7月25日(金)まで、京都シネマで7月18日(金)まで上映中。神戸アートビレッジセンターでは7月26日(土)から8月8日(金)まで上映予定。
『A2-B-C』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 第七藝術劇場 7月5日(土)~7月25日(金) 京都シネマ 神戸アートビレッジセンター ■映画館 京都シネマ 神戸アートビレッジセンター ■サイト |