3月30日、大阪・天神橋筋六丁目で地元密着の映画館として親しまれてきた「ユーラク座」が閉館した。
3月30日に閉館した「ユーラク座」の正面
全国各地で、デジタル化が進む映画館。その陰でまた一つ、老舗の映画館の幕が下りた。
天神橋筋六丁目の駅前にたたずむ「シネ5ビル」。地元の映画ファンをはじめ、多くの人に愛されていた“名物”館だった。
往年にはこのビルの中に、「ホクテンザ1」「ホクテンザ2」「コクサイ大劇場」「ユーラク座」「ユーラク地下劇場」の5つが入っていた。
その格安な料金設定だけでなく、一線を外れたけどマニア垂涎の映画をかけるなどの作品のセレクト、またアングラ感も相まって、知る人ぞ知る映画館となっていたという。
ただ2010年7月には、「ホクテンザ1」「ホクテンザ2」が閉館。そして今回の3月30日を持って完全にシネ5ビル全体が営業を終了。
映画館業界に押し寄せる時代の波は厳しく、着実に古いものが淘汰されていっている。また一つ、地域の映画館が姿を消した。
入り口には2010年に閉館した「ホクテンザ」の名前も
3月30日には閉館を惜しむ多くの客が詰めかけた