デジタル導入を済ませた神戸の元町映画館が、35ミリフィルムの上映イベントを企画中。その序幕として、『パリ、ただよう花』の公開を記念したロウ・イエ監督特集を実施する。
2013年の年末にデジタル映写機の導入を果たし、デジタル上映にかじを切った神戸の元町映画館。その同館で、フィルム上映の灯をともしつづける企画がスタートする。
「フィルムの映像の質感がやっぱり好き」だという同館支配人。デジタルを導入してからもフィルム映写機を残していることもあり、「残すという選択をした以上は動かす機会を作らねばならない」と意気込む。「映画文化を支えてきたフィルムや映写機に、今だからこそ価値を持たせたい。デジタル化は避けられなかったが、この文化をなくさないようにしたい」と話す。
具体的な企画は現在検討中とのことだが、春からのスタートとなりそうだという。「あまりジャンルなどを固定せずに名作からカルト作までいろいろ上映するのが良いのではないかと考えています」と支配人。
今回はその、いわば前哨戦として、ロウ・イエ監督特集を企画。
ロウ・イエは中国出身の映画監督。愛と孤独をテーマに、雑多な都市の日常の中にある人間の本質を描くスタイルが、熱狂的なファンを獲得している。今回は、同館で『パリ、ただよう花』(2011年、105分)の上映も予定されていることから、過去作の特集が実現した。
今回は、1週間で3作品を一挙上映。セレクトされたのは、中国ではタブー視されている天安門事件を題材に、激しい性描写を盛り込んだことで制作禁止処分を受けた『天安門、恋人たち』(2006年、158分)、南京を舞台にした男女5人の群像劇『スプリング・フィーバー』(2009年、116分)、そして、上海での切ない恋物語を描いた『ふたりの人魚』(2000年、83分)の3本。どれも35ミリフィルムでの上映となる。
ロウ・イエ監督特集は、神戸の元町映画館で3月1日(土)から3月7日(金)まで実施される。また、『パリ、ただよう花』は同じく元町映画館で3月8日(土)から3月28日(金)まで上映予定。
春から始まるフィルム上映企画にも、ぜひ期待しておきたい。
詳細情報 |
実施日程 |
3月1日(土)~3月7日(金) ※『パリ、ただよう花』の上映は3月8日(土)~3月28日(金) |
料金 |
一般1,500円、学生・シニア1,000円、映画サークル1,200円 2プログラム券 2,400円 ※当日のみ ※サービスデーの適用あり |
映画館 |
元町映画館 (神戸市中央区元町通り4-1-12、TEL 078-366-2636) |
サイト |
元町映画館 http://www.motoei.com/ 『パリ、ただよう花』公式サイト http://www.uplink.co.jp/hana/ |