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6位/2013年キネプレ10大ニュース

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『パシフィック・リム』という映画が、2013年に公開されました。
太平洋の底から生まれ、世界を侵略する巨大怪獣に対抗すべく、人類は巨大人型兵器「イェーガー」を開発。怪獣とイェーガーの迫力ある対決が見どころの、SF作品です。
監督は、もともと日本の特撮怪獣映画が大好きだったというギレルモ・デル・トロ。怪獣映画好き、ロボット映画好きの心をわしづかみにする演出をもりこみ、日本でもファンを拡大しました。

この『パシフィック・リム』が生み出した新しい映画上映スタイルが、「絶叫上映会」です。
観ながら、観客もいっしょになってこぶしを振りあげ、歓声を上げる。ふだんはおとなしく座っているだけの映画館で、みんなで絶叫する。こういうスタイルはもともとなかったわけではありませんが、この『パシフィック・リム』がうってつけだったことから、多くのファンが賛同。まず2013年月に、東京の立川シネマシティで開催され、大盛況となりました。

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6thパシリム2
(C) 2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.AND LEGENDARY PICTURES FUNDING,LCC

それを聞きつけ、動き出したのが関西の同作ファン。「関西でもやりたい!」と有志が名乗りを上げ、まずインターネット上で賛同者を募りました。
その後実施する映画館を探していところ、尼崎の塚口サンサン劇場から声が。一週間の限定上映を行い、その中で「爆音激闘上映会」を実施する運びとなりました。
ちなみにもともと1回限りの予定だったのを、反響の大きさを見て2回に拡大。ネット予約は5分で完売するなど、大きな盛り上がりを見せました。

上映会当日。会場にはコスプレを含む多くのファンが来場。
劇場側の提案で、野球観戦のように「イェーガー側」「怪獣側」に分かれてそれぞれを応援するというスタイルに。
劇場の粋な司会進行も加わり、計約300人の観客が、大絶叫しながらにぎやかに映画鑑賞を楽しみました。

6th集合
熱い戦いを終えた参加者たち
6thコスプレ
コスプレ客も多数
■こぶし突き上げ大絶叫 塚口で『パシフィック・リム』激闘上映
http://www.cinepre.biz/archives/7596

『パシフィック・リム』の絶叫上映会は、この後さらに人気が拡大。いまでも各地で行われているそうです。
静かに座って見るだけではない、一体感を感じることができる。
見ず知らずのひとたちと、上映後にはすっかり仲良くなることもある。
これは、映画館の新しい楽しみ方のひとつなのかもしれません。

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こぶしをつきあげる参加者ら
編集長のひとこと
morip
にぎやかな映画鑑賞、というとインド映画の「マサラスタイル」(クラッカーを鳴らしたりダンスを踊ったり)が有名です。でも今回の上映会は、インド映画以外でも盛り上がれることを証明してくれたように思います。
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