京都・河原町駅から、木屋町通りを北上すること3分。
かつてこの地には立誠小学校がありました。
合併され、小学校として使われなくなった今でも、校舎はそのままに。
京都の文化拠点として、演劇、アート、映画などさまざまなカルチャー系の催しが企画されています。
この元・立誠小学校に、2013年4月、小さな映画館がオープンしました。
席数45席のちいさなシアタールーム。校舎の教室をそのまま活用し、ロビーでは黒板に上映予定を描きだすなど、「小学校ならでは」の雰囲気のあるミニシアターになっています。
なぜこの地に映画館が生まれることになったのか。それは、古い映画の歴史に関係があります。
映画が今の形になる前、「シネマトグラフ」と呼ばれる映写機が発明されました。(発明者は映画の父、リュミエール兄弟と言われています)。
これが日本に輸入され、最初に試写実験が行われたのが、この地なのです。
「日本映画発祥の地」ともよべるこの場所で、古い校舎を活用して新たな映画の拠点とする。
文化発信に重きを置く、京都ならではの取り組みと言えるでしょう。
■京都に新たな映画拠点 元・立誠小の特設シアター始動 http://www.cinepre.biz/archives/5553 |
開設以来、ここではさまざまな映画作品が上映されました。
ユニークだったのは、映画上映だけではない催しを、精力的に企画していったことです。
たとえば、見世物小屋特集。見世物小屋に焦点を当てたドキュメンタリーを上映しながら、「秘密の仕掛け付き上映」と銘打ったアニメ映画上映を実施。
ほかにも、京都芸術劇場で上演された演劇「石のような水」にあわせての特集上映やリーディング上演、「本と映画のステキなカンケイ」と題しての古書販売や朗読会など、「普通の映画館ではなかなか見られない」イベントを打ち出していきました。
■元・立誠小シアターで「見世物小屋」特集 “秘密の仕掛け上映”も http://www.cinepre.biz/archives/7428 ■松田正隆・松本雄吉とタルコフスキー 元立誠小で公演事前イベント |
映画館の枠組みを超え、京都の伝統の地から、映画を主軸とする文化を発信する。
元・立誠小学校特設シアター。いま目が離せないミニシアターの一つです。
■元・立誠小学校特設シアター http://risseicinema.com/ |
レトロな雰囲気にあわせた作品のチョイスも特徴的です。そういった作品は、場所との相乗効果でより記憶に残りやすいかもしれません。そんな映画との出会い方もいいものですね。 |