日本の統治下にあった台湾で日本語教育を受けた人たちの体験から、台湾の戦後の姿を描くドキュメンタリー映画『台湾アイデンティティー』が、京都シネマ、第七藝術劇場、元町映画館で順次上映される。
(c)2013マクザム/太秦 |
親日と言われる台湾の、日本人が知らない歴史がいま解き明かされる。
『台湾アイデンティティー』(2013年、100分)は、ドキュメンタリー映画。明治28年から終戦の昭和20年まで、日本に統治されていた台湾では、日本語教育を実施されていた。本作ではそうした「日本語世代」と呼ばれる人たちの中から、6人の人生に密着。日本が撤退した後の国民党・蒋介石による支配と弾圧など、「日本人が知らない戦後台湾の歴史」を浮き彫りにしている。
(c)2013マクザム/太秦 |
手がけたのは、酒井充子監督。北海道新聞記者を経てドキュメンタリー映画の制作に従事し、2009年には『台湾人生』を発表している。
もともと台湾のことに詳しくなかったという酒井監督。旅行で同地を訪れた時、バス停で流暢な日本語で話しかける老人に出会ったことから、「日本語世代と呼ばれる人たちやその歴史に興味を持った」と話す。「わたしたち日本人は、戦後の台湾の歴史をほとんど知りません。だからこそ、こうした人たちがいたことを伝えたいと思った」という。
今作では、1923年~32年に生まれた日本語世代の6人に取材を敢行。弾圧を受けた人、インドネシアに渡った人、日本への移住を余儀なくされた人など、それぞれの壮烈な半生を映像に記録した。
「扱っているのは台湾の人たちですが、描きたかったのは自分たち日本という国の存在」だと話す酒井監督。「なぜ台湾の人たちが親日と呼ばれるのか、ということも含めて、いま一度日本と台湾の関係を見つめ直してもらいたい」と呼びかけている。
「いま一度日本の姿を見つめ直してもらいたい」と話す酒井充子監督 |
ドキュメンタリー映画『台湾アイデンティティー』は、京都シネマで9月7日(土)から、第七藝術劇場で9月14日(土)から、元町映画館で10月5日(土)から、それぞれ上映される。
予告編 |
詳細情報 |
上映日程 |
京都シネマ 9月7日(土)~ 第七藝術劇場 元町映画館 |
映画館 |
京都シネマ (京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地、TEL 075-661-3993) 第七藝術劇場 元町映画館 |
サイト |
『台湾アイデンティティー』公式サイト http://www.u-picc.com/taiwanidentity/ 京都シネマ http://www.kyotocinema.jp/ 第七藝術劇場 http://www.nanagei.com/ 元町映画館 http://www.motoei.com/ |