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“人災”としての原発事故を―大阪・神戸で『飯舘村』公開へ

東日本大震災に伴う原発事故で故郷を追われた福島県飯舘村の人々の姿を描いたドキュメンタリー『飯舘村 放射能と帰村』が、大阪の第七藝術劇場と神戸アートビレッジセンターで公開される。


監督の土井敏邦さん

「日本の中のパレスチナ」と評される現実に、耳を傾けよう。

『飯舘村 放射能と帰村』(2013年、119分)は、ドキュメンタリー作品。東日本大震災による福島原発事故の影響で、全村避難を余儀なくされた福島県飯舘村の人たちの姿を描いている。

監督は、中東情勢をメインのフィールドにしてきたジャーナリストである土井敏邦さん。『沈黙を破る』などのドキュメンタリー映画をはじめ、多くの著作やテレビ番組などで、パレスチナの難民たちの姿を描いてきた。
そんな土井さんが今回、福島県飯舘村に着目。「地震や津波は天災。だが原発事故は人災です。パレスチナで起こったことと同じく、人の手によって引き起こされたことなんです」と気付き、全村避難の家族を1年間にわたって取材した。その避難している姿が、「まさしくパレスチナの難民に重なった」という。


(C)Takashi MORIZUMI

土井監督は当初、『飯舘村 故郷を追われる村人たち』(59分)を制作。酪農家の家族たちが故郷を失っていく様子を記録し、ゆふいん文化・記録映画祭で第5回「松川賞」を受賞した。
その後の帰村を希望する村人たちの不安や政府の施策への不信などを、追加の映像作品に編集。『飯舘村 放射能と帰村』として完成させた。

「国家というのは民衆のために動いているわけではない」ということを訴えたかったと話す土井監督。
「この映画に描かれているのは、関西の人からすれば遠い問題かもしれない。でも実は国家の問題なんだということを知ってもらいたい」と訴えている。


(C)Takashi MORIZUMI

『飯舘村 放射能と帰村』は、第七藝術劇場で6月15日(土)から28日(金)まで、神戸アートビレッジセンターで7月6日(土)から12日(金)まで上映予定。
また同監督が日本で生活を送るビルマ人を描いた作品『異国に生きる 日本の中のビルマ人』は、、第七藝術劇場で同じく6月15日(土)から28日(金)まで、神戸映画資料館で7月12日(金)~16日(火)まで、それぞれ公開される。

詳細情報
上映日程 ・第七藝術劇場
 6月15日(土)~28日(金)
・神戸アートビレッジセンター
 7月6日(土)~12日(金)
映画館 第七藝術劇場
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073)

神戸アートビレッジセンター
神戸市兵庫区新開地5-3-14、TEL 078-512-5500)

サイト 『飯舘村 放射能と帰村』公式サイト
http://doi-toshikuni.net/j/iitate2/
第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/
神戸アートビレッジセンター
http://kavc.or.jp/