昨年急逝した若松孝二監督をしのび、未ソフト化映画をオールナイトで上映する「追悼・若松孝二ナイト」が、京都みなみ会館で催される。
急逝した監督の絶頂期を、振り返ろう。
若松孝二は、昭和を題材に、権力・体制への怒りを描いた作品を多く手がけてきた映画監督。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年)、『キャタピラー』(2010年)、『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(2012年)は「昭和三部作」と呼ばれている。
もともとはピンク映画出身。低予算の中でヒット作を生み出し、多くのファンを獲得した。「若松プロダクション」を設立後は、足立正生、沖島勲らとともに性と暴力で社会へ斬り込む作品を作り続けた。2012年交通事故にあい、惜しまれつつ急逝。今年春には、遺作となった『千年の愉楽』』が公開されている。
若松孝二監督 |
今回京都みなみ会館では、若松プロダクションの絶頂期の作品5本を特集。作品はそれぞれ、平凡なサラリーマンが、次第に暴行と強奪に身を沈めていく『性の放浪』(1967年、78分)、夏休み中の大学生が誤って同級生を殺してしまう『性犯罪』(1967年、72分)、終戦を挟んで起こった連続強姦殺人事件をモチーフにした『続日本暴行暗黒史 暴虐魔』(1967年、71分)、江戸末期の大金強奪事件を描いた『日本暴行暗黒史 怨獣』(1970年、70分)、三島由紀夫の割腹自殺に関わりをもつ男女2組を描く『性輪廻 死にたい女』(1971年、72分)。
『性犯罪』 |
『日本暴行暗黒史 怨獣』 |
『性輪廻 死にたい女』( |
これらはいまだソフト化されていない貴重な作品ばかりだという。若松監督が『甘い罠』でデビューしてから50年目にあたる今年。権力や社会に異議をとなえつづけてきた若松監督の生きざまを、この機会に振り返っておきたい。
「追悼・若松孝二ナイト」は6月8日(土)、京都みなみ会館で開催。オールナイト上映となる。
■開催日程
6月8日(土)
22時45分開場
23時開始
翌6時20分終了予定
■料金
当日一般2,600円 、学生・会員2,400円
整理番号付前売券2,200円
■開催映画館
京都みなみ会館
(京都市南区西九条東比永城町79、TEL 075-661-3993)
■サイト
オールナイト上映《追悼・若松孝二ナイト》
http://kyoto-minamikaikan.jp/archives/10701
京都みなみ会館
http://kyoto-minamikaikan.jp/