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黒田征太郎が描く『千年の愉楽』 4館で直筆ポスター展

若松孝二監督の遺作『千年の愉楽』に合わせて、イラストレーター黒田征太郎さんが描いた渾身のポスターが、テアトル梅田・第七藝術劇場・京都シネマ・シネ・リーブル神戸で展示されている。ミニシアター支援のためのオークションも実施。


第七藝術劇場で3枚展示

2人の偉大な先人への共感が生んだ、壮大なポスターを堪能しよう。

『千年の愉楽』は芥川賞作家・中上健次さんの短編小説集を、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』などの若松孝二監督が映画化した作品。3月9日(土)より関西でも上映され、大きな話題を呼んでいる。

今回ポスターを描いた黒田征太郎さんは、国内外で活躍するイラストレーター・デザイナー。関西ではFM802のロゴや大阪・アメリカ村の壁画「PEACE ON EARTH」などの作品が有名。生前の若松監督とも親交があったという。


テアトル梅田でも3枚

今回のポスターは『千年の愉楽』の公開に合わせて、黒田さんがライブペインティングで描いたもの。「千年の愉楽」と「The Millenial Rapture」という文字が入った200枚が、同作上映館にて展示されている。
黒田さんはこのポスターを制作したことについて、
「作家中上健次がいて 映像家若松孝二さんがいて。その二人が好きで おふたりとも、ずっとヒトの生まれ持った業(さが)を暴力と性と、そして自然を通して世に問いかけておられることに共感したので やみくもにこの作業をしたのです。ソレダケ」
と記している。


京都シネマにも1枚

若松プロは公式ブログで、若松監督の生前の言葉をこう引用している。
「文化庁は、映画作品に助成金を出す必要なんかない。どれだけ多くの作品が、上映される劇場すら見つからずに埋もれていることか。単館系の心ある映画館が次々潰れていく、この状況を何とかしろ。くだらない作品に出す金があるならば、苦しい状況にあるミニシアターを助成しろと言いたい」
この言葉に従い、今回のポスターのオークションを開催。入札応募の中から、上位金額200名にこのポスターを進呈する。入札金は、若松プロが保有する旧作のデジタル化と、各地のミニシアターへの助成金に活用される。


シネ・リーブル神戸では2枚


詳しくは、各展示会場にあるチラシを参照してほしい。
また合わせて各館では、若松孝二監督の写真パネル展示も行っている。『千年の愉楽』制作時から映画祭の模様、日常の様子まで若松監督の素顔に迫ることのできる貴重な資料となっている。こちらも合わせてぜひ鑑賞していただきたい。

展示場所は『千年の愉楽』が上映されている、テアトル梅田、第七藝術劇場、京都シネマ、シネ・リーブル神戸の各ロビーや通路。

■展示会場
テアトル梅田、第七藝術劇場、京都シネマ、シネ・リーブル神戸

■サイト
『千年の愉楽』公式サイト
http://www.wakamatsukoji.org/sennennoyuraku/
若松孝二監督の遺作いよいよ 『千年の愉楽』関西4館へ【キネプレニュース】
http://www.cinepre.biz/?p=4631
若松監督遺作『千年の愉楽』先行上映 出演者4名登場 【キネプレレポート】
http://www.cinepre.biz/?p=3827