世界で850万人を超える人々を魅了した、没入型展覧会『ゴッホ・アライブ』が兵庫県立美術館にて3月18日(土)から開幕した。
「星月夜」が投影される場内
映画館品質のサラウンド音響、高精密のプロジェクターを使った「五感で楽しめる新しい鑑賞体験」が人気の同展。高いモーショングラフィックス技術によってゴッホの絵画に動きが加えられて投影される。視覚だけでも刺激的だが、さらにフランスの田園地方を想起させるアロマの香りが合わさって、まさに「五感」で楽しめる企画となっている。
巨大スクリーンに投影されるゴッホの自画像
大きく2エリアに分かれた会場内では、四方に縦型や横型の巨大なスクリーンを配置。更に床にもスクリーンを配し、それぞれにゴッホの名作絵画や、作品に合わせた映像が映し出される。
オランダやフランスのパリ、アルルなど様々な地域を訪れ、絵を描いていたゴッホ。そのゴッホの旅路や人生を追体験できるような映像は1回約40分。ゴッホの物語を語るために選び抜かれたクラシックの名曲が、映像をより豊かにする。頭上にはゴッホ自身の言葉も浮かび上がる。
頭上にはゴッホの言葉が。
展示空間ではビーズクッションやベンチなどゆったりと鑑賞できるブースも設けられており、星空を眺めるように、ゴッホの作品を体感できる。
人気の作品「ひまわり」や「星月夜」が360度すべてのスクリーンに映し出される様子は圧巻だ。
またゴッホは、日本の美術にも影響を受けていたことも知られている。中でも「花咲くアーモンドの木」は、日本の浮世絵などの影響を強く受けていると言われており、それが民謡の「さくら、さくら」に合わせてスクリーンいっぱいに映し出され、モーショングラフィックスによって花びらが舞い散る様子は、まるでお花見の気分を一足先に味わったかのようだ。
こうした数々の、画面にも目にも収まりきらない大迫力のパノラマ空間を、是非腰を落ち着けて堪能してほしい。
満開の「花咲くアーモンドの木」
館内は写真や動画の撮影が可能(フラッシュや三脚・自撮り棒を用いての撮影は禁止)なので、迫力の世界を体験だけではなく、思い出として残すこともできる。特に入口すぐの「アルルのフィンセントの部屋」を再現した展示や、ゴッホの人気作「ひまわり」をモチーフに作られた、無数に咲き誇るひまわり畑ブースはフォトロケーションとなっており、記念撮影にピッタリ。この2つのエリアでは、オリジナルキャラクター「ゴッホさん」のARも楽しめる。
AR体験の様子
会場にはグッズコーナーも併設。ゴッホに関連するものに加え、本企画オリジナルのグッズも多数販売。
公式カタログには、投影された映像と共に流れていた「ゴッホの言葉」が日本語訳付で収録されている他、ゴッホについての資料なども掲載されている。
また兵庫県立美術館管内では本企画に合わせて、色覚多様性の啓発活動を行うNPO法人が主催する、「色」や「色覚」をテーマにしたミュージアムツアーの開催も5月に予定されており、「ゴッホ・アライブ」の展示をさらに違った視点で体験できる。問い合わせはホームページなどで確認。
(https://www.truecolors.jp/)
従来の展覧会の枠組みを超えて、全く新しい切り口で展開されるゴッホの絵画。新しいゴッホの世界に触れてみたい方はもちろん、まだアートに詳しくない方も、アートの世界への入口として体験していただきたい。
会場入り口
詳細情報 |
■日程 3/18(土)~6/4(日) 10時~18時(入場は閉館60分前まで) ※休館日:月曜 ■料金 ■会場 ■サイト |