F・W・ムルナウの世界 キネピアノ in テアトル梅田 |
ロメールが憧れ、トリュフォーが絶賛した天才。
映画の中から、美と愛があふれだす。
時代を超える、ムルナウ珠玉の4作品。
サイレント映画+ピアノ生演奏の人気企画「キネピアノ」が、大阪・梅田の映画館「テアトル梅田」で6/20(月)~23(木)に開催!
エリック・ロメール、フランソワ・トリュフォーに多大な影響を与えたF・W・ムルナウ監督の4作品をピアノ伴奏付きで上映します。
上映日:6/20(月) タイトル:『吸血鬼ノスフェラトゥ』 [show_more more=”作品詳細へ” less=”閉じる” color=”navy” list=”»»” size =”120″ ] 監督:F・W・ムルナウ
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タイトル:『最後の人』
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老ドアマンの人生の転落劇
監督:F・W・ムルナウ
出演:エミール・ヤニングス、マリー・デルシャフト、マックス・ヒラー
制作・時間:1924年・ドイツ・89分
作品解説:ベルリンの豪華ホテル。雨の中、レインコートを着て老ドアマンが働いていた。レインコートの下には立派な制服。老ドアマンにとって、その制服は誇りであった。立派な髭をたくわえた威風堂々たる外貌に、近隣の住人たちも敬意を払っていた。しかし翌朝、いつものように出勤すると、そこには別のドアマンが。支配人室へ行くと、地下室のトイレ係への配置換えが命令され…。
字幕を排した無字幕映画の金字塔的作品。主演のエミール・ヤニングスは当時のドイツを代表する名優で、後に第1回アカデミー賞主演男優賞を受賞。また撮影には『メトロポリス』で知られるカール・フロイントが参加、見事な効果を上げている。
高級ホテルに勤める老ドアマンの悲哀をほぼ「無字幕」で描き切る。ドアマンを演じているのは名優エミール・ヤニングス(のちに第一回アカデミー主演男優賞を受賞)。ドアマンは自らの仕事を誇りにしており、とりわけ金モールで派手に飾り付けられた制服に愛着を持っているが、年齢を理由に地下のトイレ係へと配置換えを命じられてしまう(ホテル正面の回転扉とトイレ前の両開きのスイングドアが視覚的に好対照をなしている)。サイレントながら「音」に満ち溢れた本作を、ピアノの生伴奏がどのように奏でるか楽しみである。
伊藤 弘了 映画研究者=批評家 |
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タイトル:『ファウスト』
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絵画的表現の美の極致
監督:F・W・ムルナウ
出演:イェスタ・エクマン、エミール・ヤニングス、カミラ・ホルン
制作・時間:1926年・ドイツ・107分
作品解説:老学者ファウストは、黒死病の蔓延に無力な自分に憤る錬金術師。彼は悪魔メフィストを召喚し「一日だけ何の代償も無しに力を試してよい」と契約を結ぶ。ファウストは若さを取り戻して美しい女性を攫うが、若さを手放すのが惜しくなり悪魔と永遠の契約を結ぶが…。
文豪ゲーテの『ファウスト』を基に、民間伝承の中で描かれたファウスト伝説も参照して作られたムルナウ監督版のファウスト。絵画的な美しさが追及された撮影は動く絵画のようで、またロマンティシズムにも溢れた重厚な作品。
ドイツの文豪ゲーテの代表作『ファウスト』を映画化したもの。ムルナウがドイツで撮った最後の作品である。ファウストをたぶらかす悪魔メフィスト役のエミール・エニングスの好演(怪演?)が光る。視覚的な特徴としては多重露光が多く用いられており、怪奇的・幻想的な雰囲気やフラッシュバックの哀切さを高めることに一役買っている。作品のテーマをなす光と影の対立は、本作の照明設計にも大いに反映されている(冒頭と掉尾を燦々と照らす太陽と、メフィスト召喚の際の夜空に浮かぶ満月は象徴的である)。
伊藤 弘了 映画研究者=批評家 |
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タイトル:『サンライズ』
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監督:F・W・ムルナウ
出演:ジョージ・オブライエン、ジャネット・ゲイナー
制作・時間:1927年・アメリカ・108分
作品解説:真面目で妻思いだった農夫が、都会の女に誘惑され堕落する。彼は愛人に唆され妻を殺そうとするが、土壇場で思いとどまる。一方、純真な妻は、夫が自分を殺そうとしたことにショックを受け、泣きぬれる。夫は激しい後悔の念に苛まれて改心し、妻も夫を許すが…。
巨匠ムルナウ監督の代表作。物語はシンプルながら、ロマンスやラブコメディ、サスペンス…と色々な要素が散りばめられたサイレント映画史に残る傑作の一つ。第1回アカデミー賞芸術作品受賞、主演女優賞、撮影賞受賞。第5回キネマ旬報ベスト・テン外国映画部門第1位。
ムルナウがハリウッドで最初に手がけた作品。第一回アカデミー賞では芸術映画賞、撮影賞、主演女優賞(ジャネット・ゲイナー)を獲得した。しばしばサイレント映画の最高傑作のひとつに数えられる。映画がサイレント期にすでに「完成」していたことを教えてくれる珠玉の一本である。序盤のシリアス&サスペンス展開から、中盤には突如ラブコメに突入して、最後は大メロドラマに雪崩れ込むという盛りだくさんの内容となっている。映画のほぼ中盤に祝福の鐘の音が鳴り響くシーンがあるが、おそらくその画面の内容と完璧に一致するであろう生伴奏に注目されたい。
伊藤 弘了 映画研究者=批評家 |
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■フリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウ(1888-1931) [show_more more=”監督詳細へ” less=”閉じる” color=”navy” list=”»»” size =”120″ ] ドイツの映画監督。幼少期よりニーチェやシェイクスピアに親しみ、大学では文学と美術史を専攻。 1919年『青い少年』で監督デビュー。1922年の『吸血鬼ノスフェラトゥ』が評価され、中間字幕を排した『最後の人』(1924)で国際的な名声を確立した。
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■鳥飼りょう [show_more more=”演奏者詳細へ” less=”閉じる” color=”navy” list=”»»” size =”120″ ] サイレント映画専門の楽士。 ピアノ、パーカッション、トイ楽器等を演奏。 2012年、Planet+1で大森くみこが活動弁士を務めるユニット「深海無声團」のパーカッショニストとしてデビュー。その後2015年に、神戸映画資料館でピアノのソロ伴奏デビュー。全ジャンルの映画に即興で伴奏をつけ、これまでに伴奏した作品数は500以上。映画に寄り添うその演奏は好評を博し、国内外の映画祭や劇場等での伴奏上映に多数出演。 2021年、ピアノを常設する映画館を巡る全国ツアー「ピアノ×キネマ」を開催。 定期上映としては、Planet+1の「映画の樹シリーズ」(2015年~)、元町映画館の「SILENT FILM LIVE」(2018年~)、第七藝術劇場・シアターセブンの「アフター・リュミエール」(2021年~)でそれぞれ伴奏を担当(いずれも現在継続中)。 さらに、キネプレと連携した上映イベント「キネピアノ」にも積極的に取り組んでおり、現在最も上映会で演奏する楽士のうちの一人として関西を中心に活動している。 無声映画振興会代表。 [/show_more] |
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■開催日程・上映作品 6月20日(月)18:45~ 上映作:『吸血鬼ノスフェラトゥ』(95分) 6月21日(火)18:45~ 6月22日(水)18:45~ 6月23日(木)18:45~ ■料金 ■チケット購入について ■映画館 ■開催団体 |