湯浅政明監督による新作アニメーション映画『犬王』が、5月28日(土)より全国公開される。
湯浅政明監督
監督は、湯浅政明さん。
長編アニメーション監督デビューを果たした『マインド・ゲーム』がさまざまな賞を受賞。それ以降、『ケモノヅメ』『四畳半神話大系』『ピンポン THE ANIMATION』『DEVILMAN crybaby』『映像研には手を出すな!』などのテレビアニメシリーズを手掛けたほか、劇場アニメーションも『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』『きみと、波にのれたら』を制作している。
イメージやキャラクターの心情の独特の描写と演出が特徴で、カラフルな色遣いや人物の輪郭の不安定さ、不思議な画角など、「湯浅監督らしさ」がいろんな作品で発揮されており、多くのファンを獲得している。
今作『犬王』でもその描写はふんだんに行われており、水や自然の演出、キャラクターの縦横自在なアクション、不穏さとファンタジーの表現、リズミカルな音楽との融合など、「湯浅監督の集大成」とも呼べる演出がてんこ盛りで堪能できる。
©2021 “INU-OH” Film Partners
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物語は、室町時代が舞台。当時大きな人気を誇った実在の能楽師・犬王と、タッグを組む盲目の琵琶法師・友魚との友情を軸に、当時の民衆が熱狂したライブパフォーマンスを「ロックオペラ」という切り口で描いた意欲作だ。
原作は、作家の古川日出男さんの小説「平家物語 犬王の巻」(河出文庫)。
キャラクターデザインは『ピンポン THE ANIMATION』の松本大洋さんが手掛け、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子さんが脚本を、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の大友良英さんが音楽を担当した。
「平家物語」と言えば、湯浅監督が代表を務めていたアニメーションスタジオ「サイエンスSARU」によるテレビアニメ『平家物語』(『犬王』とおなじ古川日出男さんの翻訳を原作とする)が先日まで放映されていたこともあり、この『犬王』はある意味、「『平家物語』のその後の物語」としても楽しめる。
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犬王役は、ロックバンド「女王蜂」のアヴちゃん、友魚役は森山未來さんが声を担当しているのも、見どころの一つだ。
作中では実際、アヴちゃんが朗々と歌い上げる歌唱シーンも多く、ミュージカル映画としても興奮度の高い作品に仕上がっている。
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全国公開に先駆けて、4月21日(木)にT・ジョイ京都で開催された先行上映会には、湯浅監督も登壇。
同作の魅力について、「2人の若者たちが、自分たちの力を信じ、のし上がっていく姿を、ロックにのせて描いている」とアピール。
「企画書に『室町の時代のポップスターを描く』と書いてあり、自分でもできることがあると考え、取り組んだ」と振り返った湯浅監督。
「音楽に乗りつつ、歌詞を聴くことでさらに理解が進んで、熱く盛り上がれる映画になったと思う。ぜひ楽しんでほしい」と呼びかけていた。
京都での先行上映に登壇した湯浅監督
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映画『犬王』は5月28日(土)より全国公開予定。
『犬王』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 5月28日(土)~ ■サイト |