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「学生にミニシアターの魅力を伝えたい!」学生による映画宣伝隊・映画チア部インタビュー

関西のミニシアターの魅力を伝える学生による学生のための映画宣伝隊「映画チア部」。2015年4月に神戸の元町映画館を拠点に活動をスタートした。今回は、6/2(土)にパルシネマしんこうえんで行われたオールナイト上映前に映画チア部の部員である繁原実沙さんにお話を伺った。

映画チア部のメンバーたち(左から湯本さん、繁原さん、大矢さん)

繁原さんは現在大学3年生。主にオールナイト上映の運営に携わっている。
入部のきっかけは1年生の時にTwitterで見かけて興味をもってアプローチしたことだという。実際にチア部のイベントに参加し、やりたいと思うようになったが、その時は入部の受付は4月のみとのことで断念。2年生になり、晴れて映画チア部への参加が決まった。「現在参加しているオールナイト班では、パルシネマで2か月に1回くらいオールナイトで映画を上映する作品やテーマをみんなで話し合って決めています。当日の受付や装飾物の制作もします」
映画チア部は、オールナイト上映のほか、映画を一緒に観たり感想を話し合ったりする「シネマツーリング」や、「チアコレ」というTSUTAYA三宮店とコラボしてDVDをおすすめするコーナー企画などを行っている。

映画チア部の繁原さん

この4月からは大阪のミニシアター、シネ・ヌーヴォを拠点にした「大阪支部」と京都のミニシアター、出町座を拠点にした「京都支部」も新設された。これまでの神戸を拠点とした活動から幅を広げていく。

繁原さんがこれまでの活動で印象的だったのは、昨年8月に開催した『真夜中の社会見学〜危険なお仕事ナイト〜』という3本立てのオールナイト上映イベント。宣伝はSNSが中心。TwitterやInstagramでの告知を精力的に行った。「当日は、自分たちが企画したイベントに多くの人が観に来てくれて。その光景を見てまたがんばろうって思いました」

今回のパルシネマしんこうえんでのオールナイト上映をやるきっかけについても伺った。
「元々パルシネマさんがやっていたオールナイト上映に、チア部として何かできないかと話を持って行ったところ、一緒にやりましょうと言ってくださって。最初は1年に3回のペースだったのが今年からは2か月に1回にしようと思っています。作品の決め方は部員で流したいものを考え、そこからテーマを決め、パルシネマさんとやりとりします。やりたい作品があっても配給さんの権利の関係でできないこともあって、考え直すことも結構あります。でも今回の『LEON 完全版』はめっちゃ推して、やりたい!と言いました」
現在パルシネマしんこうえんでのオールナイトに携わっているのは3名。イベントによって助っ人を呼ぶこともある。オールナイトの参加者は学生のほか、興味を持った一般の方やパルシネマの常連の方の来館も多い。

パルシネマでの入り口で受付対応も

繁原さんに今後の展望について伺うと、「まだまだミニシアターって学生さんに知られてないなと思っていて。これからもっと学生さんに近い距離でミニシアターというものを広げていきたいです」と意気込む。
「オールナイト上映やシネマツーリングの他にも、もっとできることがあると思います。チア部での上映作品は、今まで新しめの作品が多いけど、クラシックなものもやりたいなって思ってます」と熱意を持って語ってくれた。
「ミニシアターの魅力って、そこでしか味わえないそれぞれの味があること」と語る繁原さん。「でも、知らなかったら全然知らないままですよね。例えばパルシネマさんは映画2本を1,000円で観られるんですが、学生にとったら、とてもありがたいこと。みんな来たらいいのになって思うんです」
「チア部に入ってよかった」と語る繁原さん。「映画を観に行ったり映画について話せる仲間ができるのが嬉しいです」と笑顔を見せた。

インタビュー後、メンバーは数時間後に始まるオールナイト上映イベントに向け、場内の飾りつけなど準備作業に戻って行った。
この日のオールナイト上映は、「アウトローに気をつけろ」がテーマ。殺し屋レオンと少女マチルダの交流を描いた有名作『LEON 完全版』、ガイ・リッチー監督のクライム・ムービー『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』、荻原浩の小説原作の『誘拐ラプソディー』の3作品を上映。繁原さんらチア部のメンバーが受け付けをする中、当日券を購入される方も多く、上映前には抽選会も開催されるなどイベントは大盛況だった。

この日のラインナップ
ラインナップ
上映前~もうすぐスタート
オールナイトのスタートを待つシアター内
詳細情報
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映画チア部
映画チア部 ツイッター