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『桐島』に観客の意見炸裂 塚口サンサン劇場でイベント

10月13日(土)、尼崎の塚口サンサン劇場で、映画『桐島、部活辞めるってよ』のティーチインイベント「桐島に一言物申~す!!」が行われた。


『桐島』ファンでほぼ満席になった会場

まず同館担当者が「この映画は『誰かに語りたい』『誰かに感動を伝えたい』作品だと思います。いまはツイッターやブログなど、意見を出す場がたくさんありますが、面と向かって話し合う場はなかなかありません。だから今回の企画はすごくいい機会だと思っています」とあいさつした。

登壇したのは、美術家で執筆・編集者の岩淵拓郎さん、南森町の古本屋「メガネヤ」店主市川ヨウヘイさん、コピーライターでかたちラボ主催の田中裕一さんの3名。約60人の観客の前で、3人がこの映画について感じたことを披露した。


登壇した岩淵拓郎さん(写真左)、市川ヨウヘイさん(中央)、田中裕一さん

岩淵さんが「観客それぞれにシンクロするところが絶対ある映画。それぞれの立ち位置に自分を投影できるんですね。やっぱり、すごく“話したくなる”作品だと思います」と話すと、市川さんは「みんなイケズな感じを抱えていますよね。そしてそれをだれも反省しない。だから感情移入した観客が観終わった後、外で反省したい気分になる。そういう映画なんじゃないかな」と持論を展開した。田中さんは「すごく熱量のある映画だと感じました。あと、観たとき『オレの映画じゃないか、これ』と思いましたよ。まあぼくは登場人物のどれにも当てはまらなかったんですが(笑)」と話し、会場の笑いを誘った。


3人がそれぞれの視点から映画を考察した

3人が映画についての感想や考察を述べた後は、観客に「この作品について感じたこと」を問いかける展開に。8人が次々と手を挙げ、それぞれの「『桐島』について語りたい」欲を炸裂させた。2回目の鑑賞となった観客も多く、中には4回観たという女性も。
「“桐島”は一種の基準だと思う」「全てが学校の世界で完結されていると感じた」「あの女子の発言は、こういう意図なんじゃないか」「視点を固定しないやり方が良かった」「みんなの青春の戦いを祝福している映画だ」など、多彩な意見や感想が交わされた。「私もこういう人間なので・・・・・・」と独白する方も多く、「やっぱり反省する映画なんですよ」と市川さんが話し、会場を沸かせた。


3人や挙手した人の話に耳を傾ける参加者たち

盛況のうちに、ティーチインイベントは終了。田中さんは「こういう感じで、これからもみんな『桐島』について語り合ってください」と呼びかけた。
塚口サンサン劇場の担当者は、「予想以上にたくさんの人が来てくれて、すごくうれしい。こういう語り合うイベントも、いいですね」と話していた。

■サイト
塚口サンサン劇場
http://www.sunsun.info/
『桐島~』に一言物申す! 塚口でティーチインイベント【キネプレ記事】
http://www.cinepre.biz/?p=2206