京都のミニシアター「京都みなみ会館」が3月31日(土)に、多くのファンに惜しまれながら閉館した。最後の上映は『イリュージョニスト』。2019年春頃、移転して営業再開を目指す。
京都みなみ会館は、京都市南区のミニシアター系映画館。1963年12月に創業され、1988年にはリニューアルオープンした。154席の大型シアターを擁し、多様な映画作品を上映。ゴジラなどの怪獣・特撮映画の特集や、定期的に催されるオールナイトイベントなどで親しまれてきた。
2016年には、デヴィッド・ボウイの初主演作品『地球に落ちてきた男』の上映権を獲得するなど、映画館の枠を飛び出した活動も精力的に行ってきた。
今回の閉館の理由は施設の老朽化によるもの。補修工事では対応出来ない箇所も出ていたことから、この場所での営業継続を断念し、移転することとなった。
閉館を発表した後同館では、2018年初頭から様々な特集企画を実施。フィナーレを飾るイベントとして3月26日(月)から3月31日(土)まで「京都みなみ会館 さよなら興行」を開催し、6日間で38作品を上映。満席が続くほどの盛況となった。
最終日となった3月31日(土)は、『大人は判ってくれない』『勝手にしやがれ』『ヤンヤン 夏の想い出』『それぞれのシネマ』『楽日』そして最後のシークレット作品として『イリュージョニスト』の上映を実施。
最後の作品に『イリュージョニスト』を選んだ理由について同館の吉田館長は、「時代の移り変わりと、変わらなく続いていく日常を描いた作品。前を見て歩いて行こうと思った」と語る。
最終上映は、立ち見が出るほどの盛況ぶりに。多くのファンに見守られながらの最終日となった。
吉田館長は集まったファンに向けて「しばしの別れになりますが、それでも日々は続いていきます。その間も皆さんが、映画館で素敵な映画に出会えることを願ってます」とあいさつ。
「今日まで本当にありがとうございました」と呼びかけ、大きな拍手が送られた。
今後の予定としては、2019年春頃に、近隣に移転しての営業再開が目標。同館の看板や映画関係者のサイン入りの扉などは移転先に持っていく。
京都みなみ会館らしい作品ラインナップやオールナイト上映なども、継続していく予定だという。
なお京都のミニシアター系映画館は、これでいったんは、烏丸の京都シネマ(4スクリーン)と、2018年12月に出町桝形商店街にオープンした出町座(2スクリーン)の2館となる。
詳細情報 |
■映画館 旧・京都みなみ会館 (京都市南区西九条東比永城町79、TEL 075-661-3993) ■サイト |