京都の山崎を舞台にした映画『水面のあかり』が、大阪のシネ・ヌーヴォで9月23日(土)から公開。『テンロクの恋人』など地域作品の渡辺シン監督最新作。京都シネマでは好評のうちに上映終了。
渡辺シン監督は、2011年に『テンロクの恋人』を制作。天神橋筋六丁目の商店街を舞台にした全4話の「下町人情ドタバタコメディー」で、長野県の「商店街映画祭」ではグランプリを受賞した。
その後は大阪の他の映像作品に参加するほか、神戸を拠点に映画制作を続ける石井岳龍監督のトークイベントを手掛けるなど、地元密着型の映画の活動を続けている。
今回はこの渡辺監督の最新作で、山崎を舞台に、前世の記憶に悩む主人公の葛藤と心の旅を描く物語が完成した。
2013年より構想がスタートし、2015年10月に撮影を実施。
大阪と京都の境い目に位置する山崎を、電車を下りて町を散策した時にその独特な町の雰囲気が気に入った、と語る渡辺監督。
医療誌の記者、森下あかりは取材先の大学で、心理学者の松本教授から退行催眠療法を受け、桃山時代の娘だった前世の記憶が蘇る。それが真実なのかどうか確かめるため、ひとり京都・山崎を訪れる……という物語。
あかり役に「あさが来た」などの加藤千果さん。あかりを手助けする歴史資料館の職員・早川を『シン・ゴジラ』など多数の映画に出演する津田寛治さんが演じている。
まず京都シネマで9月2日(土)より15日(金)まで公開された同作。初日・2日目は満席となった。舞台挨拶も多数行われ、加藤千果さん、津田寛治さんらも登壇。
鑑賞者からは「不思議な映画で考えさせられる」「孤立し困難を抱えながら「今」を生きる人に勇気と希望を与えてくれる」などの感想があがっている。
渡辺監督は、「前世」というテーマを選んだことについて、「主人公が自己の願望や恐れ、信仰などを投影する対象として選んだ」と語る。信仰対象としての「神」を持たない主人公が、未知の「もう一人の自分」を見出すのが前世だった、という。
「白か黒かを問われる情報社会の中で、孤独を抱えた人たちへ。分かり易い解答だけでなく、迷路に迷い込む楽しさを知る人たちに見ていただけたら」と呼びかけている。
映画『水面のあかり』は大阪・九条のシネ・ヌーヴォで9月23日(土)から10月13日(金)まで上映予定。
映画『水面のあかり』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 ・シネ・ヌーヴォ 9月23日(土)~10月13日(金) ■映画館 ■サイト |