実際の事件に着想を得て、トランスジェンダーの人生を描いた映画『ダイ・ビューティフル』がシネマート心斎橋で8月5日(土)より公開予定。東京国際映画祭で最優秀男優賞・観客賞に輝いた話題作。
『ダイ・ビューティフル』(2016年、120分)は、フィリピン映画。
「ミスコンの女王」とたたえられたトランスジェンダーのトリシャ・エチェバリアの人生を描いた本作。ある日、美女コンテストで優勝したトリシャが突然死。トリシャの遺言には、「埋葬前の儀式で、毎晩異なるセレブの装いをまといたい」とあった。残された友人たちがトリシャの人生を思い起こしながら、彼女の願いをかなえるために奔走していく。そして、常に自分らしく、美しくあり続けようとしたトリシャの色鮮やかで少し変わった人生が描かれていく……という物語。
2016年の第29回東京国際映画祭のコンペティション部門で上映され、主演のパオロ・バレステロスが最優秀男優賞を受賞。さらに観客賞にも輝いた。『ある理髪師の物語』のジュン・ロブレス・ラナが監督をつとめた。
主演のパオロ・バレステロスは、フィリピン本国では TV 番組の司会者として活躍するタレント。インスタグラムで海外セレブのものまねメイクを披露するメークアップ・アーティストとしても知られている。日本では「”海外版の男ざわちん”」と言われることも。
2014 年に、実際にフィリピンで起きた、トランスジェンダーが殺された「ジェニファー・ロード事件」を下敷きにしているという同作。「こいつは化け物だから殺されて当然だ」「社会のクズだ」というSNSでの反応を見たジュン・ロブレス・ラナ監督が、そんな人へ「トランスジェンダーも普通の人間であり、それぞれの生き方を持っている」という理解を呼びかける作品を作りたいと決意したという。
主演のパオロ・バレステロスは、同作公開後にゲイであることをカミングアウトし、ファンから多くのエールが寄せられた。
それ以外にも映画の反響は大きく、フィリピン国内でのトランスジェンダーへの意識改革に一役買ったとのこと。「若い人の考え方を変える大きなきっかけになった」と語る監督。
「私たちが“生”に感謝する時は、たいていの場合“死”の文脈の中に、常に皮肉を感じています。トリシャは幸福を追求する一人の人間として、私たちと何ら変わらない」と呼びかけている。
本作は、東京では7月22日(土)より新宿・シネマカリテが公開がスタート。多くの高評価のコメントがすでに寄せられている。
関西では8月5日(土)よりシネマート心斎橋で上映が決定。
初週は12時10分~(8月7日のみ11時50分~)、17時35分~、19時50分~の3回上映が予定されている。
映画『ダイ・ビューティフル』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 8月5日(土)~ ※初週は 12時10分~※8月7日(月)のみ11時50分~ 17時35分~ 19時50分~ の3回上映 ■映画館 ■サイト |