4月28日(金)夜、兵庫県尼崎市の塚口サンサン劇場にて映画『ラ・ラ・ランド』の「発声可能上映」が開催。集まった参加者は、劇中曲に合わせて歌ったり、歓声を上げたりしながら、思い思いの楽しみ方で発声上映を堪能した。
第89回アカデミー賞で最多6部門を受賞し、作品の舞台となったロサンゼルス市が「ラ・ラ・ランドの日」を制定するなど、世界でも話題続きの『ラ・ラ・ランド』。日本でも公開直後から評判の良さが話題となり、未だリピーターが多い作品だ。ただ、4月より全国で発声可能上映が開始となったが、一部劇場では歓声が上がらない「無声上映」になっているとの話もあり、盛り上がりに欠けているとの声も。
塚口サンサン劇場では『ラ・ラ・ランド』の上映に合わせて、主演のライアン・ゴズリングの『ドライブ』や、デミアン・チャゼル監督にも影響を与えた鈴木清順監督の『東京流れ者』を上映。しかし、ここにきて全国的に発声上映へのネガティブな印象が。同劇場はなぜ今回の発声上映に踏み切ったのか。劇場の担当者は「当劇場では、過去にも応援上映・マサラ上映などの上映会を行っており、お客様参加型の上映会のノウハウがあります。私もスタッフも大好きな作品ですし、盛り上がらないまま終わるのは寂しいと思ったため、実施しました」と話す。
開場時刻が迫ると、参加者が徐々に集結。同劇場の近くに住む女性の参加者は、今回が初めての鑑賞。この日を楽しみにしていていたといい「せっかくだからドレスでも着ればよかった」と悔やんでいた。親子で参加する方もおり、子どもの女性は今日で3回目の鑑賞とのこと。これまで違う劇場で観ていたため、発声上映が楽しみだと嬉しそうに話した。同劇場の女性スタッフも『ラ・ラ・ランド』仕様に。華やかなドレスやワンピースに身を包み、エレガントに参加者を出迎えていた。
上映前には参加者に担当者から「最高の歌とダンスを堪能してください。大事なのは、エンジョイすることです」のアナウンスが。また、歌唱シーンでは英語詞の字幕が入ると案内も。英語が難しいと感じる人でも歌いやすくなっていると説明があった。予告が始めると参加者は早速ハイテンションに。予告作品に声援を送り、本編上映前のお馴染の「映画泥棒」にまで歓声が起きていた。
そしていよいよ本編上映がスタート。冒頭の高速道路でのミュージカルシーンから、参加者のボルテージは最高潮に。通路になっている中央部分で劇場スタッフがダンスを始めると、参加者は割れんばかりの手拍子とシンガロングで応戦した。
間奏部分では、最前列の参加者が着ていた上着をタオルにように振り回しす様子も。シーンが終わるのと同時に入るタイトルバックでは、大きな拍手が巻き起こった。これには参加していた配給会社のスタッフも驚き「サンサン劇場は盛り上がり方が凄い!」と興奮の様子だった。
その後のシーンでも参加者のハイテンションは続き、ミア(エマ・ストーン)とセバスチャン(ライアン・ゴズリング)が丘の上でダンスするシーンでは、劇場スタッフと参加者が踊りだす一幕も。桟橋でのセバスチャンが口笛を吹くシーンでは、口笛の大合唱。また、歌唱のみならず、通常のシーンでも声援が飛び交う。
ミアとセバスチャンが出会うシーンでは、参加者の一人が「これはキスする流れかー?」と発し、他の参加者の笑いを誘った。ミアが劇中で大根役者と囁かれるシーンでは「そんなことない」と優しくフォローする参加者もいた。
音楽にあわせてリズムを刻んだり、歓声を上げたりと思い思いに楽しみ方で発声上映を堪能していた参加者。中でも手拍子や拍手の応援が見事で、参加者の手拍子でミアとセバスチャンがパフォーマンスしているような錯雰囲気が生まれ、映画と参加者がシンクロしているようだった。エンドロールでも手拍子は鳴り止まず、参加者は最初から最後まで楽しみながら鑑賞していた。
上映終了後には、劇場手作りのポスター前で参加者全員と記念撮影。ほとんどの参加者が撮影に応じ、ラ・ラ・ランドポーズをしてくれた。撮影後も名残惜しそうに至るところで撮影会をする参加者たち。大満足の様子で劇場を後にした。
修了後にはTwitterで早速参加者からの感想が。「拍手したくてもできなかった消化不良を晴らせた」「人生であんなにハミングすることある?!」「やはり塚口の熱気は凄い!」「またやってほしい!」などのつぶやきが寄せられている。同劇場では『ラ・ラ・ランド』を特別音響で上映している。担当者によると、あえて重低音にせず高音と低音をよりクリアに聞こえるよう調整した特別な音響で楽しめるそうだ。
塚口サンサン劇場では『ラ・ラ・ランド』の通常上映が、5月12日(金)まで予定されている。
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■上映日程 ~5月12日(金) ■映画館 ■サイト |