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「伝説の斬られ役」福本清三さんも登場 梅田で『ごはん』舞台挨拶、お米プレゼントも

1月27日(金)に大阪・梅田ブルク7にて、安田淳一監督最新長編作『ごはん』の公開記念舞台挨拶が開催され、監督と出演者ら、そして“伝説の斬られ役”福本清三さんが登場した。同作は3月11日(土)からシアターセブンなどで上映予定。

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梅田ブルク7を埋め尽くした観客たちと記念撮影

安田監督は京都でイメージビデオ制作を本業としていたが、長年の夢であった「映画作り」を実現。2012年に脚本や制作のほとんどを自身で手掛けた初の長編映画『拳銃と目玉焼』を発表。ミニシアターで上映されるや、人情味あふれる爽快なヒーロー物語として完成度の高さが評判を呼び、全国でのシネコン上映を実現させた。

第二作目として今回公開された『ごはん』は、都会で働く主人公の女性・ヒカリ(沙倉ゆうの)が突然の父(井上肇)の訃報を受け故郷へ帰る場面から始まる。父は周辺一帯の米作を任されている米農家だったが、父の死後、誰も畑の世話をする者がいない状況を知ったヒカリ。経験したことのない畑仕事に悪戦苦闘しながら、米が実る喜びを通じて父の遺した想いに触れるという物語だ。前作から作風をがらりと変えて、主人公の女性が周囲に支えられながら成長していく感動的な姿を描き出している。

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『ごはん』

映画本編の上映後に舞台挨拶が始まり、登壇した出演者が同作を振り返り。主演の沙倉さんは「前作から今作が世に出るまで、たくさんの方が期待して待っていてくださいました。そんな中、お米作りという難しい題材を映画として楽しんでいただくため、監督が何度も脚本を練り直していたのが印象的。特に好きなシーンは、黄金色の稲穂の美しい風景です」と話す。4年あまりの製作期間を経て公開された喜びのためか、感極まり開始早々涙で言葉を詰まらせていた。それを見た紅さん(叔母・敏子役)は「はよしゃべりや!」と関西弁で優しくツッコミを入れ、役どころと同様に沙倉をサポートして場を盛り上げた。お笑い芸人でもある源八(助手のゲンちゃん役)も感極まった様子の泣きまねを披露するなど、それぞれの挨拶で会場は和やかな空気に包まれた。

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舞台挨拶の様子

父親役の井上さんについては、安田監督がテレビドラマに出演している井上さんを見て「すばらしい俳優だ」と前作『拳銃と目玉焼』で主演を務めた小野孝弘さんに話したところ、なんと小野さんと井上さんは知人であったことが判明。その縁で出演していただくことができた、と監督は振り返る。井上さんは今回の出演に関して「昨今の映画は制作期間がもっと短い。足掛け4年という期間は、役者にとって贅沢な体験でした」と語った。

今作について、もとは短編として撮るつもりだったと話す監督。「農業というのはとても大変な仕事です。それが沙倉さんのような、若い女の子の身に降りかかってきたらどうなるのか?そんなアイデアから着想を膨らませていくと、これはスペクタクル映画になる!と確信して今作のような長編映画が出来上がりました」と作品が生まれたきっかけを明かした。
監督は今作が長編映画二作目。主人公たちが自然の猛威と向き合う様子の撮影など、インディーズ映画で実現させることが難しく悩んだ場面も多くあったという。そんな体験を経て、監督は「やりたいと思ったことを最後までやりぬくこと。そうすれば、こうやって皆さんに支えられながらまた夢が叶えられました。この作品を通して、やりぬくことの大切さを伝えたい」と作品に込めた熱い想いを観客たちへ伝えた。

登壇しているキャストの挨拶が終わった頃、スペシャルゲスト登場という呼び声と共に、今作の重要な役どころを演じた福本清三さんが姿を現した。福本さんと言えば“伝説の斬られ役”“5万回斬られた男”というキャッチフレーズが付くほど、死に様を魅せる殺陣の技術で数々の時代劇に出演する名脇役。ハリウッド映画『ラストサムライ』ではトム・クルーズとも共演している。
福本さんは『ごはん』のタイトルにちなんで、登場するや「皆さん、お腹いっぱいになりましたか?」とシャレの効いた挨拶からスタート。作中で「斬られ役」福本さんならではのセリフがあることに「監督のリクエストで言ってみたんですが、まさか本当に使われると思いませんでした」と笑顔をこぼした。監督も「福本さん、ノリノリでしたよ。本当にありがとうございます」と、出演に感謝の言葉を送る。名優のサプライズ登場に、観客たちはおおいに盛り上がっていた。

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福本清三さんが登壇

最後に、作品名である『ごはん』にちなみ、作中で登場する畑で収穫された「米」をプレゼントする抽選会が行われた。沙倉さんとのじゃんけん大会で勝利した観客たちは、檀上でキャストから米を受け取り満足げな様子を見せた。

映画『ごはん』は、大阪・十三のシアターセブンで3月11日(土)から3月14日(火)までと3月20日(月・祝)から3月24日(金)まで上映予定。
また京都の立誠シネマでも、4月1日(土)以降『ごはん』の上映が予定されている。
ちなみに『拳銃と目玉焼』も、シアターセブンで3月15日(水)から3月18日(土)まで再上映される。

映画『ごはん』予告編

詳細情報
■上映日程
3/11(土)~3/14(火)
 19時~『ごはん』
3/15(水)~3/17(金)
 19時~『拳銃と目玉焼』
3/18(土)
 16時20分~『拳銃と目玉焼』
3/20(月・祝)~3/24(金)
 16時20分~『ごはん』

■映画館
シアターセブン
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ5F、TEL 06-4862-7733

■サイト
『ごはん』『拳銃と目玉焼』
シアターセブン
未来映画社FBページ
『拳銃と目玉焼』公式サイト