佐村河内守のゴーストライター問題を描いた森達也監督の15年ぶりの新作ドキュメンタリー『FAKE』が第七藝術劇場で公開開始し、一か月以上のロングランへ。シアターセブンでは『A』『A2』上映も。
森達也さんは、ドキュメンタリー映画監督、ノンフィクション作家。テレビ番組を手がけた後、テレビドキュメンタリー、ドキュメンタリー映画を発表した。映画では、地下鉄サリン事件以降のオウム真理教について、当時の広報副部長であった荒木浩さんを中心に撮影した『A』(1998年)が話題となった。続編となる『A2』(2002年)も山形国際ドキュメンタリー映画祭「市民賞」と「特別賞」を受賞するなど、高い評価を得た。
今回の『FAKE』は、『A2』以降15年ぶりの単独での映画作品となる。
『FAKE』で扱っている被写体は、佐村河内守さん。聴覚障害がありながらも作曲家として脚光を浴びたが、2014年に手がけた楽曲がゴーストライターの手によるものと発表され、注目を集めた。
森達也さんは、本作を作る前にも、「下山事件」「中森明菜」、「今上天皇」「東京電力」など、撮りかけたことは何度かあったとのこと。「けれど、結局は持続できなかった。でも今年、やっと形にすることができました」と振り返る。
「映画で大切なことは普遍性。入口はゴーストライター騒動だけど、出口はきっと違います」と呼びかけている。
関西では6月11日(土)から大阪・十三の第七藝術劇場で公開開始。満席大盛況のスタートをきった。同劇場では7月8日(土)までの上映スケジュールが固まり、7月9日(土)以降も続映が決定しているという。
また関西ではほかにも、神戸アートビレッジセンターで6月18日(土)から、京都シネマで7月2日(土)から、上映が予定されている。
さらに同作の公開に合わせて過去作の上映も。
第七藝術劇場のワンフロア下にあるシアターセブンでは、『A』『A2』を一週間限定で特別上映する。『A2』はとくに、2002年の劇場公開時はカットされた部分を追加した完全版を上映するという。
日時は、6月25日(土)から一週間、『A』が12時40分から、『A2』が15時20分から、それぞれ上映予定。シアターセブンの担当者は「第七藝術劇場での『FAKE』が朝10時からの上映なので、1日3作品連続で観ることも可能です。ぜひ」と呼びかける。
映画『FAKE』予告編 |
詳細情報 |
■上映日程 『FAKE』 第七藝術劇場 6月11日(土)~ 神戸アートビレッジセンター 6月18日(土)~7月1日(金) 京都シネマ 7月2日(土)~ 『A』『A2』 ■映画館 京都シネマ 神戸アートビレッジセンター シアターセブン ■サイト |